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フランチャイズ加盟の前に注意するべきデメリットと、やるべき対策まとめ

「DEMERIT」と書かれた積み木

フランチャイズは、ビジネスモデルのひとつ。メリットがあればデメリットもあります。
加盟後に後悔しないためにも、加盟前の確認は欠かせません。

そこで今回、フランチャイズならではのデメリットについてまとめました。損失を最小限に抑えるための対策もご紹介します。

「フランチャイズで気を付けるべきことは何?」
「デメリットをカバーするにはどうしたらいい?」

こんな不安がある人に、おすすめです。

無視できない!フランチャイズのデメリット

書類にこぼしたコーヒー
フランチャイズのメリットは何と言っても実績のある企業からサポートを受けられること。
仕入れから接客、経理、アルバイトの指導までマニュアルがあるので安心して起業できます。
さらに開業後も本部のサポートを受けられるので、未経験者のオーナーでも失敗しにくいんです。

しかし、フランチャイズならではのどうしても避けられないデメリットがあることも事実です。
今回は、特に加盟前に把握するべきデメリットについてご紹介します。

赤字でもロイヤリティを請求される

フランチャイズでは、加盟店は本部に毎月決められた金額を支払わなければいけません。
その最たるものが「ロイヤリティ」。商標権やサポートなどの使用料です。

このロイヤリティが、開店後に頭を悩ませることが多いんです。
売り上げが少ないときでも請求されるため、経営難に追い打ちをかけることになりかねません。
そうならないように、多くの本部は加入時に「保証金」を預かっています。
しかしこの保証金も後で補填するので、支払いを先延ばしにしているようなもの。
フランチャイズ契約を解約するタイミングによっては、トラブルに発展するケースもあります。

自分で開業するなら必要ない費用…と考えると、フランチャイズならではのデメリットではないでしょうか。

ロイヤリティの算出方法は本部によって違いますが、以下の3つが主流です。

売上歩合方式
「売り上げ金額に対して○割」という計算で算出します。
売り上げ金額に応じて、割合を変えている本部もあります。
粗利分配方式
売り上げ金から原価を引いた金額(粗利)に対する割合で算出します。
定額方式
売り上げ金額に関係なく、毎月同じ金額を支払います。
グラフとCOSTとPROFITの積み木
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経営方法を制限される

未経験者にとって、本部の経営マニュアルはありがたい存在です。「こんなときは、こうすればいい」が分かっているだけでも、安心できます。
一方で、マニュアル以外の経営方法は基本的にできません。

本部にとって、一番怖いことは「自社ブランドのイメージダウン」です。
加盟店オーナーの多くは経営スキルが少ないため、思わぬ行動をとってしまう恐れがあります。
ブランドイメージを守るために、契約で様々な制約を設けているんです。
これはフランチャイズならではのデメリットで、融通が利かなくて煩わしく感じる人も多いようです。

経営に慣れてくると、やりたいことや改善したいことが見えてきます。
しかし、それを実行すると問題になる可能性が高いです。何年か前に賞味期限が近い商品を値下げしたら、法的トラブルにまで発展したケースがありましたよね。

「好きなように経営したい!」という気持ちを優先するなら、フランチャイズは避けた方が無難です。

仕入れルート・商品が選べない

フランチャイズでは、自分のお店で取り扱う商品(サービス)も制限されてしまいます。
確かに、商品やサービス内容がバラバラだと、統一感がありませんよね。
もし、良かれと思って店舗独自にサービスした場合でも、お客様がほかの店舗に行って「あっちの店ではやってくれたのに!」とクレームになるかもしれません。

仕入れ先についても、本部が用意したルート以外での仕入れは基本的に制限されています。
安く仕入れるルートがあったとしても、使うことができないんです。

サービス業の場合、仕事で使う道具やその仕入れ先が指定されているようです。
使いにくい道具でも他の道具に変えられない、経費削減が難しくなるなどのデメリットがあります。

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違約金が発生する

フランチャイズは、本部と契約を結びビジネスを行います。
契約に縛られてしまうのも、フランチャイズならではのデメリットかもしれません。

契約違反があった場合、違約金が請求されてしまいます。
負担が大きく問題になりがちなのが、契約期間内の解約による違約金です。
契約期間内の解約は、基本的に違約金が発生します。違約金が高額で支払えないため、解約できずに赤字経営を続けているオーナーもいます。
さらに違約金とは別に賠償金を請求されるケースもあるので、契約書の該当項目は必ずチェックしましょう。

フランチャイズの契約は、独立した事業主同士の契約なので、クーリングオフは適用されません。
一旦、契約してしまったら、取り消すことはほぼ不可能なので、契約前の対策が肝心です。

競業避止義務に注意!

フランチャイズ契約における「競業避止義務」も、デメリットのひとつです。

競業避止義務とは、簡単にいうと「辞める仕事と似た商売をしない義務」のこと。
就業規則で見たことがあったり、誓約書を書いたりしたことがある人もいるのではないでしょうか。
フランチャイズは、経営ノウハウなどを提供して、対価をもらうビジネスです。加盟店が脱退後もそのノウハウを使ったり、ライバル店に広めてしまったりすると、本部は利益を失ってしまいます。かなり重要な義務なんですね。

この義務を怠った場合は損害賠償が請求され、事業の停止も求められることも多いです。
裁判に発展するケースも後を絶ちません。
「フランチャイズ経営で経験を積んで、独立開業しよう」と考えている人には、かなり厄介な条件です。
ひょっとしたら、経験を積むなら、フランチャイズ加盟ではなく、その業界に転職した方がトラブルは少ないかもしれませんね…。

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他にも注意するべきリスクがあるのでご紹介します!

黄色い警告マーク
どんなビジネスにもリスクは付き物。フランチャイズも例外ではありません。
失敗を防ぐためにも、注意すべきリスクについてご説明します。

  • 悪徳なフランチャイズ本部に注意
  • 人手不足になると、長時間労働になってしまう
  • ブランドイメージが悪化すると、自分のお店にも影響する

対策もまとめましたので、参考にしてください。

悪徳なフランチャイズ本部に注意

残念ながら、詐欺のような方法で加盟店を募っている本部も存在します。
例えば「オープン屋」
加盟金などの開業資金を集めたら、あとはほったらかしにする本部のことです。
高額な設備投資や研修費といった名目でお金を搾り取り、開業後は途中解約の違約金で一儲け…。そんなひどいところもあるそうです。
フランチャイズは一度契約すると、相手に非があっても解約にとても苦労します。
悪質なフランチャイズ本部とは契約しないことが、何よりも失敗を避けられる対策です。

たとえば、宣伝文句にやたら勢いがあるのに、デメリットやリスクを説明したがらない。
法定開示書面を見せなかったり、資料の説明があいまい。なのに加盟を急かされる…。
そんな本部には注意してください。

また本部が果たすべき義務を怠った場合、違約金ナシで解約ができる場合があります。さらに、加盟金の返却を認められた判例もあります。
泣き寝入りしないためにも、加盟前からこまめに記録を付けて、証拠を取っておくことも大切です。

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人手不足になると、長時間労働になってしまう

オーナーになると、やむをえず長時間労働を続けなければならないときがあります。
人手が確保できなかった時間帯は、オーナーがカバーするほかないからです。

本部が運営する直営店だったら、本部の社員が応援に来てくれます。
フランチャイズは独立した事業主同士なので、本部の社員が手伝いに来ることはありません。
派遣されるSV(スーパーバイザー)によっては、少しだけレジ応援してくれたりするみたいですが…。

自由な働き方を求めていたのに、結局仕事に縛られる…。
「何のために脱サラしたんだろう…」と、むなしくなってしまう人も多いです。

対策のひとつとして、営業時間に融通の利く業界を選ぶ方法があります。
エステサロンやハウスクリーニングなど、お客様からの依頼によって仕事が発生するビジネスは営業時間の自由度が高いですよ。

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ブラントイメージが悪化すると、自分のお店にも影響する

加盟したチェーン店で大きな問題が発生すると、自分のお店にも悪影響が及ぶリスクがあります。
悪ふざけする様子を投稿する「バカッター」や「バイトテロ」は有名な例ではないでしょうか。自分の店舗では真面目にやっているのに、「管理体制のずさんなチェーン」と思われてしまい、売り上げが落ちる…といった具合に、巻き込まれる可能性があります。

さらに本部が不祥事を起こしても、客足が遠のく場合があります。本部と加盟店は別々の事業主なので、とばっちり以外の何物でもありませんが…。
本部と加盟店のトラブルが拡大しニュースになると、「トラブルがあるお店は行きたくない」と思われるかもしれません。

対策としては、契約前に本部の危機管理能力を確かめ、トラブルに強いところを選ぶと安心です。
また、本部の担当者自身に問題がないかも確認するようにしましょう。誠実に対応してくれるところなら、契約後にもめる確率が下がりますよね。

そして何より、常日頃からお客様に愛される店づくりを心がけることです。
いくら事前に対策をしていても、トラブルは起こります。
信頼してくれるお客様がいれば、悪いニュースに流されずに来てくれます。

失敗しないためには「3つの確認」が一番!


フランチャイズのデメリットやリスクをご紹介しました。
最後に、失敗を避けるための対策をご紹介します。

最も効果的なのは、契約前の確認です。
フランチャイズの一番大きいデメリットは「自由度が低いこと」。かといって、契約内容を簡単に変えることはできません。
経営方法を改善したくても本部の方針で対応してもらえない。そこから経営が回らなくなり、廃業するケースが多いんです。
契約書に印鑑を押す前に、本当にその契約でやっていけるのか、入念に確かめる必要があります。

特に確認してほしいのは以下の3つ。

  • 本部やパッケージ
  • 契約内容
  • 必要資金

基本的な部分ですが、それぞれ詳しく説明します。

本部やパッケージ

本部選びの際、どんなサポートがあるのか気になりますよね。あるいは「どこでも同じじゃない?」と考えている人もいるかもしれません。
実は同じ業種でも、本部によっていろいろなサポート方法があります。買取業で例を挙げると、「リサイクルマート」は質屋としても開業できますし、フランチャイズ以外にも「ブランド横須賀」のような独立開業コンサルといったサポートもあるんです。
自分に必要なものをよく見極めて選んでくださいね。

それと同時に、パッケージを提供する本部についても調べておきましょう。特に、本部が信用できる企業なのかは、必ず確認するべきです。
飲食業と小売業のフランチャイズの場合、本部は加盟希望者に、決められた情報を開示して、説明する義務があります。
「法定開示書面」と言って、この中には本部の企業情報や財務状況、過去の訴訟件数などが含まれています。
法定開示書面を見せなかったり、説明しない本部は避けた方が安全でしょう。
また、最近ではサービス業でも法定開示書面を交付・説明するのが一般的になっています。

他にも、チェーン店を実際に利用してみたり、本部の企業サイトを見たり、口コミサイトで検索してみるのもおすすめです。

契約内容

フランチャイズは契約内容に縛られます。
加盟する前に契約書は必ずよく読んで、不必要に不利な内容になっていないか、確認しましょう。
分からないことがあったら、担当者に必ず問い合わせてください。ここでめんどくさがると、「こんなはずじゃなかった」と後悔する原因になりかねません。

契約内容には、毎月支払うべき金額や研修会に参加する際の費用など、お金に関する内容も盛り込まれています。
月々の支出もある程度知ることができるので、経営が成り立つのかを判断する目安にもなりますよ。

契約書
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必要資金

開業したけど、運営するお金がない…
途方もない借金をしてしまった…

そんなことにならないために、開業するために必要なお金についても、事前に確認しましょう。

「開業資金だけで十分じゃないの?」
そう思うかもしれませんが、実際はそれだけじゃないんです。
フランチャイズは集客力があるとはいえ、オープンしてすぐ収入が安定するとは限りません。
売上が安定するまでの運転資金や生活費も用意しておかないと、経営が続かなくなるリスクが上がります。

仕入れの費用や家賃などの支出や、事業が軌道に乗るまでの平均的な期間を把握できれば、いくらぐらい必要か分かるはずです。
必要な金額が分かれば、本当に「本部が提示する期間で回収できる=儲けが出る」のかも分かりますよ。

まとめ

フランチャイズのデメリットは、経営方法などが制限されたり、ロイヤリティなどが請求されたりすることです。
良くも悪くも、本部の方針に左右されるビジネスモデルと言ってもいいかもしれません。

もしここまで読んで、「フランチャイズは向いてないけど、誰かにサポートしてもらいたい」と感じたなら、独立開業支援制度を利用する方法もあります。
起業の方法はたくさんあります。自分に合わない方法で経営を続ければストレスもたまり、失敗するリスクが上がります。
妥協できるポイントはどこか、逆に譲れないことは何か…。しっかり見極めてフランチャイズ加盟を検討してくださいね。

Checkとそれに向かう矢印
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