近年、中古車買取(中古車販売)業のニーズは高まっています。
「新車より中古車の方が高い!」「中古車が手に入らない」といった声もよく耳にします。
起業を考えている方の中には、中古車買取業で開業したいけど、迷っている方も多いのではないでしょうか。
自力で中古車を買い取って販売するのは、いろいろと難しいイメージが強いですよね。
そこで今回は、中古車買取業で開業するために必要なことをまとめました。
フランチャイズ(fc)で開業する方法も、ご紹介します!
中古車買取業ってどんなビジネス?
中古車買取業は、中古車を買い取って販売するビジネスです。「中古車販売」とも、呼ばれていますね。
中古車を買い取った後、必要に応じて整備や点検を行います。また、修理やオイル交換といったアフターサービスも行っています。お客様と長い付き合いになる販売店も多く、長期的な収入を見込めます。
一方で、中古車の状態を把握する査定能力や、お客様に信頼してもらえる接客スキルを求められます。
ここでは、詳しい業務内容や、気になる開業資金などの情報を解説します。
中古車買取業の主な業務内容
中古車買取業の主な仕事は、以下の通りです。
- 中古車を仕入れる
- メンテナンスをして、値段をつける
- 販売
- 販売した中古車の、アフターメンテナンス
他にもお店によっては、廃車手続きや保険契約の代行などのサービスを提供しています。
お客様が気軽に来店できるように、SNSやブログを運営しているお店もあります。
全部の業務を一人で行うのは難しいので、スタッフを雇っているオーナーがほとんどです。
中古車買取業の開業資金はどのくらい?
中古車買取業をはじめるにあたって、開業資金はどのくらい用意すればよいのでしょうか。
立地条件や業務形態によっても変わりますが、2000万円以上かかる場合がほとんどのようです。他の買取業と比べて、多額の資金がかかります。
経営が安定するまでの運転資金も用意すると、ケタがもう一つ増えるかもしれません…。
全額を自己資金で用意するのは難しいので、融資を検討してみてください。
日本政策金融公庫は、はじめての開業でも審査に通りやすく、利子も低いのでおすすめです。
フランチャイズで開業する場合
フランチャイズに加盟すると、すでに開業している企業からサポートを受けられます。
代表的なモノには、価格設定のアドバイスや経営ノウハウの提供があります。
他にも他店との在庫共有や仕入れ代の立替など、チェーンだからこそできるサポートもあります。
他店と在庫共有をしていると、自分のお店で中古車を管理せずに済みます。そのため、小規模での開業を目指せます。
仕入れ代を立て替えてもらえるなら、高額で売れる商品を買い逃すこともありません。本部によっては、加盟店オーナーの資金に合わせた選定をするところもあります。
開業資金もおさえやすく、500万円ほどで済む場合もあるそうです。
中古車買取業に必要な手続き4つ
中古車買取業で開業するなら、医者のような資格は必要ありません。
ですが、いくつかやらなければならない手続きがあります。
中古車販売店のオーナーになるにあたって、必要な資格や手続きについてご紹介します。
古物商許可証を取得する
中古車販売店のオーナーになるなら、古物商許可証が必要です。無許可で販売してしまうと、罰金や懲役刑の可能性があります。
許可を得るには、警察署で審査を受けなければなりません。申請手続きをするのは、営業所(店舗)の住所を管轄する警察署です。費用は、手数料を含めると2万円ほどかかります。
手数料は審査を受けるたびに発生します。一度で通るように、準備はしっかり整えておきましょう。
定められた条件に該当していると、古物商の許可は下りません。なかなか当てはまる条件ではありませんが、一度確認しておくことをおすすめします。
自動車リサイクル法引取業者として登録する
中古車販売店では、お客様から「廃車を引き取ってほしい」と、依頼される場面は多いです。
廃車を引き取る場合、自動車リサイクル法引取業者として登録する必要があります。未登録で引き取ってしまうと、罰金や懲役の可能性もあるため、注意してくださいね。
登録は、役所や保健所にある、自動車リサイクル法の担当窓口で行います。登録には、申請書と添付書類が必要です。費用は、手数料を含めて6000円ほど用意しておきましょう。
自動車リサイクルシステムに登録する
廃車の引き取りには、役場や保健所での登録とは別に、自動車リサイクルシステムへの登録も必要です。
こちらは手数料はかかりません。
引き取った廃車を解体するかどうかでも、必要な登録が変わります。
自治体の環境関連の窓口に問い合わせて、必要な自動車リサイクルシステムへ登録しましょう。
開業届を提出する
ビジネスをするなら、開業届を提出しなければなりません。
正式名称は「個人事業の開業・廃業等届出書」といって、これを税務署に提出します。国税庁のホームページからダウンロードして、郵送もできます。
提出に手数料はかかりません。マイナンバーカードか、マイナンバーが確認できる書類と本人確認ができる書類のセットのどちらかが必要です。
提出期限は、開業してから1か月以内です。提出期限が遅れると、青色申告ができなかったり屋号名で口座が開けなかったり…と不便になってしまいます。
開業準備を済ませてからでもいいので、必ず提出しましょう。
任意:保険やオートローンなどの代理店登録
車を購入するとき、自賠責保険やオートローン(自動車ローン)を契約する方は多いです。
保険やオートローンの代理店として登録しておけば、お客様が代理店を探す手間を省けます。利用しやすくなれば、集客面で有利です。
代理店として登録するには、試験や審査などを受ける必要があります。
保険代理店の場合は、研修をしてから試験を受けます。無事合格して契約を結んだら、財務局へ登録手続きをします。
オートローンの場合は、審査を受けます。主に事業内容やオーナー自身を審査します。そのため、未経験の方が審査に通るのは難しいようです。
どちらも難易度が高いものの、お客様からの信頼を得やすくなります。
可能であれば、ぜひ検討してみてください。
中古車買取業で成功するためのポイント
中古車買取業は、開業資金や必要な手続きの多いビジネスです。
すぐ廃業してしまったら、骨折り損のくたびれ儲けになってしまいます。
中古車買取業で成功するために、やるべきポイントをまとめました。
つまずきやすい注意点も、ご紹介します。
仕入れルートは複数確保する
中古車買取業で成功する販売店は、需要のある中古車を多く仕入れています。
仕入れルートは、複数確保しておきましょう。
お客様の依頼を待つ以外だと、業者向けのオークション会場へ出向くのがおすすめです。
基本的に会員限定で、登録には入会金や保証金などがかかります。他にも、今までの営業実績や保証人などの審査があるため、未経験の方には難しいかもしれません。オークション代行業者に依頼すれば、オークション会場の中古車を仕入れられます。
フランチャイズなら、本部が代行してくれるプランもありますよ。
買取比較サイトに登録する方法もあります。全国から中古車を仕入れられるので、仕入れ数を増やせます。
開業資金は多く準備する
中古車を仕入れるためには、多額の資金が必要です。最初の仕入れだけで、数千万円かかることも多いです。
さらに、整備や修理などの費用が発生するケースも多々あります。仕入れた商品を管理する駐車場も、欠かせません。
販売店を開くためには、この他にもさまざまな費用が必要です。
開業資金は必要最低限ではなく、余裕をもって準備しておくことをおすすめします。
中古車の価値を見極めるスキルは必須!
中古車を買い取って販売するために、整備や修理が必要になるケースも多いです。
安く買い取っても修理費がかさんでしまえば、利益率は下がってしまいます。仕入れの際には、外観や状態などを見極める目利きが必要です。
在庫を抱えてしまうと、メンテナンスにもお金がかかります。人気車種に関する知識があれば、すぐ売れる商品を見つけられます。
「この中古車は売れるのかどうか」を見極めるスキルは、成功するには必須条件です。
オーナーになる前に、他の販売店で経験を積んでおくと安心です。
個人で開くなら、接客スキル・営業力も必要
中古車販売店には、車の知識が豊富なお客様も多く来店します。逆に、全く詳しくないお客様も少なくありません。
オーナーやスタッフには、どんなお客様にもきちんと説明できるような接客スキルが求められます。
最近の中古車業界では、比較サイトやSNSからの集客が増えています。インターネットでの宣伝活動は積極的に行いましょう。続けることで、お客様の印象にも残りやすくなります。
もし自分一人では対応できないと感じる方は、営業力のある人を雇うことも検討してみてください。
中古車買取業はフランチャイズがおすすめ!
中古車買取業は、未経験の方がはじめるにはハードルの高いビジネスです。
フランチャイズなら、すでに開業している企業から店舗運営のバックアップをしてもらえます。
経営ノウハウの提供や研修会の開催など、開業前からオープン後までさまざまなサポートを受けられます。
失敗するリスクをグッとおさえられるので、ぜひ一度検討してみてください。
「開業後までサポートしなくていい」という方には、開業支援サービスがおすすめです。
フランチャイズに加盟するメリット
フランチャイズに加盟すると、すでに開業している企業からサポートを受けられます。
代表的なモノには、価格設定のアドバイスや経営ノウハウの提供があります。他にも他店との在庫共有や仕入れ代の立替など、チェーンだからこそできるサポートもあります。
サポートは開業前からオープン後まで、長期にわたって受けられます。提供しているサポート内容は、本部によってさまざまです。
本部探しの際には、気になる本部を含め、複数の本部に資料請求をすることをおすすめします。比較することで、本部の得手不得手が分かりやすくなります。
開業資金をおさえられるのも魅力で、500万円ほどで済む場合もあるそうです。
気になる方は、一度説明会などに参加してみてはいかがでしょうか?
フランチャイズに加盟するデメリット
フランチャイズには、いくつかのデメリットもあります。
フランチャイズに加盟すると、毎月ロイヤリティが発生します。他にもシステム使用料や広告宣伝費など、さまざまな名目で請求がくるため、経費は高くなります。
加盟後に「やっぱり辞めたい!」となっても、簡単にはやめられません。中古車買取業の契約期間は、2~5年ほどの本部が多いです。1か月あたりの運転資金が高額なので、経営が立ち行かなくなるリスクも高いです。ですが契約期間中の解約は違約金が発生する可能性が高く、赤字経営におちいるかもしれません。
フランチャイズの契約は事業主同士の契約で、クーリングオフのような制度がありません。本部選びは慎重に行ってくださいね。
フランチャイズに加盟したからといって、店舗運営まで代行してくれません。
多くの本部は開業前後のサポートを手厚くしていますが、その後はオーナーが主体となって動きます。数か月間の研修だけで、未経験のオーナーが独立するのは難しく、開業後1年で厳しい状況になってしまう方も多いそうです。
本部の研修やアドバイスだけでなく、オーナー自身の努力も求められます。
まとめ
中古車買取業には、必要な資格・経歴はありません。しかし、必要な許可や登録手続きがあります。
開業資金は2000万円以上になるケースもあるため、融資を検討することをおすすめします。フランチャイズに加盟すれば、開業資金をおさえられる可能性もあります。一方、ロイヤリティや広告宣伝費などの費用がかさむ可能性があります。
ここまで読んで「もう少し違ったビジネスにしよう」と思った方も、多いのではないでしょうか。
ブランド品買取業なら、中古車買取業より費用をおさえられます。「ブランド横須賀」のような、開業支援サービスも豊富です。
参入しやすいビジネスなので、ぜひ一度、検討してみてみてください。