フランチャイズでも、開業資金が高額になるケースがあります。フランチャイズはヤバい…というわけではなく、高額な開業資金にはきちんとした理由があるんです。
初期費用が多ければ廃業したときのリスクが大きくなってしまいますが、その分稼ぎやすいメリットがあります。
今回は、フランチャイズで開業資金が高額になる条件と注意点、おすすめのビジネスについてまとめました。
1000万円以上だからこそ、しっかり稼ぎやすい業種をご紹介します!
フランチャイズで開業資金がかかる理由は?
開業資金をおさえやすいのが魅力のフランチャイズ。
それでも、以下の条件があると、開業資金は高くなってしまいます。
開業資金が高額になりやすい条件
- 経営のために広いスペースが必要
- 必要な備品が多い
- スタッフを雇わなければいけない
「費用をおさえて開業したい!」と考えている人は、なるべくこの条件をさけてくださいね。
募集情報では「数百万円で開業できる」と書かれていても、開業するまでに1000万円かかってしまう場合もあります。
気になる人は、契約前に担当者から詳しい見積もりを出してもらうことをおすすめします。
広いスペースが必要
お店を構えなくてはいけないビジネスなら、物件取得費がかかります。当たり前のことですが、敷地面積が大きくなればなるほど、費用は高くなります。
スポーツジムやホテルなど、広い土地が必要なビジネスは開業資金も高額です。
お店の場所はどこでもいいわけではありません。
集客が見込めるか・競合他社が出店していないかなどの、立地条件を満たした物件を選ばないと、失敗するリスクが上がります。かといって、立地条件を満たした物件は高額になりがちです。好立地の物件だと、保証金だけで数百万円になるケースも多いです。「お店を開くなら1000万円必要」といわれるのも、なんとなくうなずけます。
良い物件に巡り合えるかは、運次第な部分もあります。売り上げが期待できるなら、多少高額でも手に入れた方が、成功しやすいです。
「広いスペース」と「優れた立地条件」を追求するから、高額になってしまうんですね。
必要な備品が多い
例えば、ハウスクリーニングならモップや洗剤といった、清掃道具が必要ですよね。
お店のために必要な備品が多いと、必要な金額も高くなります。
備品や設備を手に入れるためにかかった費用は、「設備資金」と呼ばれます。設備資金は1坪当たり50万~100万円くらいかかるといわれています。10坪のお店なら、500万~1000万円の設備資金が発生する計算です。
リサイクル品やリース品を使えば費用をおさえられます。ですがフランチャイズの場合、本部が指定した備品を購入するケースが多いため、なかなか費用を浮かせられません。理不尽に思えるかもしれませんが、トラブル回避のために必要とされています。確かに、お店ごとに使う道具がバラバラでは、ブランドイメージが統一できませんよね…。
結果的に、開業資金が予想以上に高くなってしまいます。
スタッフを雇わなければいけない
ビジネスの規模が大きくなると、スタッフを雇わなければいけません。
フランチャイズでは、店舗運営は加盟店オーナーの役割です。マニュアルやアドバイスなどのサポートはありますが、人材確保や教育は基本的にオーナーが行います。
その費用は当然、加盟店側が負担します。
本部によっては人材紹介をしてくれたり、スタッフ研修を開催している場合もあります。でも別途料金を請求されることも多いです。
スタッフを雇えば、そのお給料も払わなければいけません。雇うスタッフが多ければ多いほど、人件費が高額になってしまいます。
小規模から始めて大きくするなら、はじめは人件費はかかりません。ですが、十分な人数をそろえないと開業できない業種もあります。
スタッフ募集の広告費や研修費などの名目で、開業資金がかさんでしまうんですね。
フランチャイズ開業で1000万円は高い?
フランチャイズの開業資金が高額になる主な原因をご紹介しました。
莫大な開業資金が必要だからといって、必ずしもヤバいビジネスとは限りません。投資額が大きいとできることが増えるので、儲けにも期待できます。
フランチャイズでも初期投資を増やすほど、好条件の物件を手に入れたり、質のよい設備を導入できたりします。
一方で、初期投資が大きいほど、資金を回収する前に廃業する可能性が上がります。その分損失も大きくなります。
しかも、フランチャイズはロイヤリティや広告費など、ランニングコストがかかっています。自力で開業するより、初期投資の回収が難しいといえるでしょう。
成功するためには、利益がしっかり出せるプランを選ぶことが重要です。
必要なのは開業資金だけではない
フランチャイズで開業する場合、必要なのは加盟金・保証金だけではありません。
「数十万円の資金で開業できる」というニュアンスの募集情報をよく見かけますが、よくよく資料を見ると、他の名目で高額な費用を請求している本部も多いんです。
よくあるのは、開業資金は少額にする代わり、ロイヤリティが高いプランです。スムーズに開業できる一方で、早めに軌道に乗せないと赤字になるリスクがあります。
他にも、加盟金はほぼゼロ円でも、開業前の研修費で十万円以上のお金が必要になるプランもあります。
さらに起業に必要な資金は、開業資金だけではありません。
経営が安定するまでの運転資金や、オーナー自身の生活費も必要です。
運転資金は大体6か月分が目安ですが、1年以上あると安心です。生活費も忘れずに用意する必要があります。
思ったより売り上げがなくても安心して生活できるよう、起業する前に用意しておきましょう。
…そう考えると、安全に開業するためには、1000万円以上の資金が必要になると思うべきなのかもしれません。
低資金だとできることに限界がある
低資金で開業できるビジネスには、限界があります。
参入できる業界が狭まってしまうので、人によっては納得できる選択肢が見つからない可能性があります。
「低資金で開業できます!」と宣伝しているプランもありますが、ロイヤリティが高額になっているのが一般的です。
開業資金をおさえるか、ランニングコストをおさえるか…。自身の状況を見て判断するしかありません。
無駄な資金はおさえるべきです。
だからといって必要な経費まで惜しんでしまうと、後々苦労する可能性があります。
たとえば、広告宣伝費を支払わず自力で宣伝する場合。通常業務の他に、営業活動もやらなければなりません。
客層に合わせた方法を模索しながら行うので、効果が出るまで時間がかかります。
初期投資を回収するまでの期間をチェック!
開業資金が高い本部を選ぶとき、経営が安定するまでの期間は必ず確認しましょう。本部のサポートを受けていても、起業してすぐに経営が安定する可能性は低いです。しばらくは赤字経営が続きます。その期間の蓄えが必要です。
一緒に、初期投資(開業のためにかかったお金)を回収するまでの期間もチェックしましょう。長すぎると、運転資金が底を尽きるリスクが上がります。
また不自然に長い本部は、月々の利益が少ない可能性もあります。
本部の担当者に尋ねてみてもいいですし、加盟した人にインタビューするのもおすすめです。
実は、回収期間は計算式に当てはめて予測を立てることができます。計算して出した期間を答えている担当者もいるそうです。
基本的には、以下の計算式で算出します。
投資回収期間=投資額÷キャッシュフロー
キャッシュフローとは、ある一定期間の支出・収入をまとめたものです。ざっくりいうと、「ビジネスの結果残ったお金」です。
「投資額」にどの資金を含めるのかは、本部によって違います。自分でリストアップした費用を使って、計算してみるのもおすすめです。
初期投資の回収期間は、フランチャイズの契約年数の設定にも反映されているので、参考にしてください。
信頼できる本部と契約すること
契約する本部は、信頼できるところを選んでください。
大金をかけて起業するのですから、失敗するとリカバリーが大変です。
本部の人はちゃんと加盟店の意見に耳を傾けてくれるか…
契約時の説明は、根拠も含めてしっかりしてくれるか…
残念ながら、加盟店から費用を集めることしか考えていない本部も存在します。まだ実績が少なくて、加盟店のフォロー体制が整っていない本部も多いです(これはこれで、加盟店と一体になって成長していくケースもありますが…)。
加盟店に対する考え方は、資料請求だけでは分かりにくい部分です。説明会に参加したり、経営している加盟店を利用したりすることをおすすめします。
また、「サポート体制は自分に合っているか」も大切なチェックポイントです。
同じ業種でも、本部ごとに違いがあります。例えば、開業資金に注目してみると、加盟店に融資をしてくれる本部や、加盟金などの分割払いに対応してくれる本部などがあります。
自分の状況に合わせて、無茶をせずに起業できる方法を選んでくださいね。
1000万円で開業できるビジネス。どんなものがおすすめ?
初期投資が大きなビジネスを選ぶなら、将来性のあるものを選ぶことをおすすめします。
回収する前にブームが去ってしまったら、利益は上がりにくくなります。フランチャイズは本部の影響が強いので、独断で経営方針を変更できません。
オーナーがいくら努力しても、限界があります。加盟する前に、長期的な収入が見込めるかはしっかりチェックしましょう。
最後に、おすすめなビジネスを3つご紹介します。
- レンタカービジネス
- デリバリーサービス
- 介護サービス
どれも、需要が長く続くとみられているビジネスです。それぞれ詳しくご説明します。
レンタカービジネス
車を貸し出し、その料金を受け取るのがレンタカービジネスです。
国内旅行者や訪日外国人が主なお客様です。近年では、車を持たない人が、ちょっとだけ使いたいときに利用するケースも増えています。
介護向け車両や高級車の貸し出しなどのサービスで、差別化をはかっている本部もあります。
レンタカービジネスは車を貸し出すだけで利益になるため、年収1000万円以上の高収入も目指せます。
ですが、車の準備や許可申請など、開業のための準備は大変です。フランチャイズで開業すれば、本部のサポートを受けられるので運営に集中しやすくなります。無人店舗スタイルなら、副業として始めることも可能です。
デリバリーサービス
テイクアウトやキッチンカー、出前などの「中食」ビジネスが広まっています。背景には、共働き世帯の増加や、外出自粛などがあります。お店の味が自宅でも味わえると、年々需要が出てきているようです。
レストランや喫茶店のような外食ビジネスよりも低資金で開業できるのもメリットです。
特にデリバリーサービスは、低資金で開業しやすいのでおすすめです。
お客様が来店するスタイルではないので、人通りの少ない場所でも問題ありません。客席を用意しなくて良いので、狭いスペースでも開業できます。
高齢者をターゲットにした宅配弁当サービスも登場しています。調理済みの食材を盛り付けるだけのところもあります。
飲食関係のフランチャイズでは、メニューも判断基準のひとつです。
出店予定の周辺ではどんな味付けの料理が好まれているか、事前に調べておくと、本部探しもスムーズになります。
介護関係
社会貢献をしたい人におすすめなのが介護サービスです。
超高齢化社会といわれている日本では、今後も需要が伸び続けるとみられています。
デイサービスならフランチャイズでも開業できるところが多いです。
個人で開業する場合、必要な設備や人材などに細かい条件が決まっていて、準備に苦労します。
すでに開業している企業からのサポートを受けられるフランチャイズなら、安心して準備を進められます。
開業後も、トラブルの対応方法や税金の計算など、わずらわしい部分を本部に手伝ってもらえるので、運営に専念できます。
まとめ
開業資金が安いに越したことはありません。
しかし、必要な資金を惜しむと、開業後に後悔することになりかねません。失敗するリスクもさけられるので、資金はゆとりをもって用意しておくことをおすすめします。
また、フランチャイズでは一度結んだ契約を簡単に白紙に戻すことはできませんし、自分の意思で経営方針を変えることもできません。
高額な初期投資を投入するならなおさら、加盟する前の情報収集はしっかり行ってくださいね。