古物商の営業は一般には「中古販売」と呼ばれるビジネスですが、許可制になっているのはなぜでしょうか。
古物許可証でできることはなに?
無許可だと逮捕されちゃう!?
など、古物商の許可証について気になることを調べてみました。
そもそも中古品の売買はなぜ許可制なの?
古物商、つまりは中古品の売り買いでビジネスをするためには都道府県ごとに公安委員会の許可を受ける必要があります。
え!、、、でもちょっと待って・・・。
そもそもなんで中古品の売り買いをするのに、すごく大変そうな手続きをして許可をとらないといけないんでしょうか。
調べてみたら納得でした。
古物営業法 第一条
この法律は、盗品等の売買の防止、速やかな発見等を図るため、古物営業に係る業務について必要な規制等を行い、もつて窃盗その他の犯罪の防止を図り、及びその被害の迅速な回復に資することを目的とする。
なるほど。
古物(中古品)は窃盗被害の商品が販売されてしまうような犯罪につながりやすい。
だから独自に法律を設けて盗品が市場に出回らないようにしているんですね。
わざわざ許可制にしているのは、犯罪の防止や窃盗を抑止する目的があるからなんですね。
許可を申請する場所が警察署なのも犯罪の防止に一役買っているのかもしれません。

古物商許可証でできること
古物商の営業行為は全部で3つ。
古物営業法の第2条第2項に書いてありました。
古物営業法 第二条
2 この法律において「古物営業」とは、次に掲げる営業をいう。
一 古物を売買し、若しくは交換し、又は委託を受けて売買し、若しくは交換する営業であつて、古物を売却すること又は自己が売却した物品を当該売却の相手方から買い受けることのみを行うもの以外のもの二 古物市場(古物商間の古物の売買又は交換のための市場をいう。以下同じ。)を経営する営業
三 古物の売買をしようとする者のあつせんを競りの方法(政令で定める電子情報処理組織を使用する競りの方法その他の政令で定めるものに限る。)により行う営業(前号に掲げるものを除く。以下「古物競りあつせん業」という。)
ひとつずつ見ていきたいと思います。
「なんとなくざっくり中古品売買」と考えるよりは、自分がこれから始めようと思っているビジネスがどれに該当するかをイメージしながら読んでみてくださいね。
古物商の営業方法は3種類
1.古物商(1号営業)
これはふつうの中古販売のお店。
たとえば、リサイクルショップ、古書店、中古オートバイ店とかですね。金券ショップもここに該当します。
2.古物市場主(2号営業)
これは古物商同士で売り買いをするような市場をつくるようなビジネスです。
古物市場、なんて呼ばれたりもするようです。
中古販売の専門家が集まる市場だと思ってください。
貴金属のみを扱う市場や家電をメインにしたものなど多種多様です。
3.古物競りあっせん業(3号営業)
インターネットを利用してオークション形式の売り買いのシステムを提供する場合はこの3号に該当します。
インターネットオークションの運営者だと思ってもらうとわかりやすいかもしれません。
たとえばどんなことができる?
さて、古物商の許可証があると、具体的にどんなことができるようになるのでしょうか。これも具体例で見ていってみましょう。
- 古物を買い取って売ることができる
- 古物を修繕して売ることができる
- 古物を買い取って一部の部品だけ売ることができる
- 古物を別のものと交換することができる
- 古物を買い取って貸与することができる
- 古物を買い取って海外向けに販売することができる
できることいくつかご紹介しましたが、一方で上記に該当しないようなことは古物商の許可が不要なわけです。
たとえば、古物であっても自分の所有物を売ったり、無償で手に入れたものを加工して販売したりするのであれば許可は要らない、ということになります。

無許可だとどうなるの?まさか逮捕!?
ここまで古物商の許可証があるとできることを見てきましたが、仮に無許可で営業をしてしまったときはどうなるのでしょうか?
これを知らないで営業してしまい、「うっかり知りませんでした」では許されません。
違反したらどうなるのでしょうか?逮捕でしょうか?
これも古物営業法に書いてありました。
いちばん重いと「3年以下の懲役又は100万円以下の罰金」!
第三十一条 次の各号のいずれかに該当する者は、三年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
一 第三条の規定に違反して許可を受けないで第二条第二項第一号又は第二号に掲げる営業を営んだ者
二 偽りその他不正の手段により第三条の規定による許可を受けた者
三 第九条の規定に違反した者
四 第二十四条の規定による公安委員会の命令に違反した者
上記以外にも、営業の停止だったり、許可証の返納があったり、古物営業法に書いてある約束を守らなかったときはペナルティだらけです。
まずいちばん避けたいのは無許可営業です。
自分のビジネスが古物商の営業に該当するのか、営業するとしたらどのように許可申請をすればよいのか、しっかり把握しておくことが大切ですね。

まとめ
一般的には「中古販売」と呼ばれるビジネスですが、営業方法にもそれぞれ種類があったり、許可がなくてもできることはあったりと、知らないことも多かったのではないでしょうか。
特に「なぜ許可制になっているんだろう?」と、そもそもの仕組みに興味をもって知っておくことが大切な気がしました。
これをキッカケに自分だけの古物商ビジネスを考えてみるのも楽しいかもしれませんよ。
