夫婦で開業を考えている方の中には、フランチャイズの加盟を検討している方も多いのではないでしょうか。
本部の経営ノウハウやブランド力を利用できるフランチャイズは、未経験の方でも事業を続けやすいメリットがあります。
とはいえ注意点を知っていないと、収入がマイナスになってしまうかもしれません。
そこで今回は、夫婦でフランチャイズに加盟するメリットやデメリットなどを解説します。
おすすめのビジネスもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
夫婦でフランチャイズ経営するメリット
一人で経営している印象が強いフランチャイズですが、コンビニやカフェなど、夫婦で経営している方も多いです。
夫婦でフランチャイズ経営すると、以下のメリットがあります。
- 経営上の調整がしやすい
- 開業資金を調達しやすい
- 家事と仕事のバランスがとりやすくなる
実は、夫婦でないと加盟できないパッケージもあるそうです。それだけ、上記のメリットは有利な条件であるといえると思います。
経営上の調整がしやすい
夫婦で協力することで、経営上の問題にスムーズに対応できます。
事業をするうえで、やらなければならないことはたくさんあります。本部がサポートしてくれるとはいえ、一人でやるのは大変ですし、中にはどうしても苦手な作業もあります。
それぞれの得意分野をいかし、お互いの苦手を補い合うことで、順調な店舗運営が可能です。外部に依頼する必要もなくなり、経費削減にもつながります。
お互いをよく理解している夫婦なら、何らかの判断を迫られたときに素早く対応できます。一緒に暮らしているので話し合いの時間を取りやすい点も、素早い対応を可能にしてくれます。
開業資金を調達しやすい
フランチャイズに加盟するとき、開業資金の調達は大きな壁のひとつです。
夫婦で開業すると、資金調達が楽になります。
一人で開業する場合、自己資金を集めるのに大変な努力が必要です。金融機関から融資を受けようにも、低額の融資となったり、そもそも審査に通らない可能性もあります。
夫婦で開業する場合、二人分の貯金を自己資金にできます。自己資金が増えると、融資してもらえる金額も増えるので、資金調達がしやすいです。
審査を受けるときも有利で、パートナーが連帯保証人になると融資を受けやすくなります。
家事と仕事のバランスがとりやすくなる
子育てや介護をしている場合、急な呼び出しで店を離れなければならない場面も出てきます。しかし、オーナー一人で運営している場合、店を閉めるわけにいかず対応できない可能性もあります。
在宅で起業した方の中には、「家のことが気になって事業に集中できない」という悩みを抱えている方も多いです。
夫婦で経営していればパートナーにお店を頼めるので、安心して家族を迎えに行けます。同様の理由で、どちらかが体調を崩しても、運営への影響を最小限に抑えられます。
夫婦でフランチャイズ経営するデメリット
夫婦経営は、メリットばかりではありません。
夫婦でフランチャイズ経営する場合、以下のデメリットに注意が必要です。
- 家計が不安定になる
- メリハリがつきにくい
- 夫婦の関係が悪化する可能性がある
見過ごしていると、仕事やプライベートでトラブルを抱えてしまうかもしれません。
加盟前にしっかりと理解して、対策を立てておきましょう。
家計が不安定になる
夫婦で経営すると、家計はビジネスの収入のみになります。売上が落ちれば、ダイレクトに家計へ影響します。赤字が続くと、生活が立ち行かなくなる可能性が高いです。
お店を畳んだ場合、夫婦ともに収入源を失ってしまいます。夫婦二人でフランチャイズ経営する場合は、余裕を持った資金計画が重要です。
夫婦のどちらかがメインで事業を行い、パートナーは副業としてサポートする方法もあります。この方法なら万が一廃業しても、収入が完全に断たれることはありません。
とはいえ、副業は体力的に負担が大きく、難しい場合もあります。どのくらい協力できそうか、夫婦でよく話し合っておく必要があります。
メリハリがつきにくい
夫婦でフランチャイズ経営すると、お互いの人間関係が変わります。これまでの「家族」だけでなく、「ビジネスパートナー」という関係ができます。
経営者は、サラリーマンのように労働時間が一定ではありません。自分でうまくオンオフを切り替える必要があります。夫婦で経営していると、なかなかうまく切り替えられない…なんて場面も出てきます。仕事を終えて家に帰っても、ビジネスパートナーでもある家族が待っているからです。
ついつい仕事のことを考えてしまったり、ビジネスのことしか話さなくなってしまったりする可能性があります。
また、業務内容を分担していた場合、どちらかが体調を崩すと事業に支障をきたす可能性が高まります。
夫婦間の関係が悪化する可能性がある
夫婦で経営していると、意見が合わず衝突してしまうときもあります。そこから不仲になってしまい、離婚に発展してしまう場合もあります。
夫婦で開業するとお互いの距離感が縮まり、息苦しさを感じてしまうかもしれません。ストレスからささいなことでケンカするようになってしまったり、経営にも悪影響を及ぼす可能性もあります。
お互いに譲り合ったり、息抜きできる環境を確保したりする気遣いが、今まで以上に必要です。
夫婦で経営していた場合、離婚時や離婚後にトラブルが発生する可能性があります。離婚した場合そのまま共同経営するか、どちらかが新たな収入源を得る必要があります。関係悪化が原因の離婚だった場合、離婚後の生活を巡ってさらなるトラブルに発展するかもしれません。
また融資を受けていた場合にも注意が必要です。夫婦のどちらかが連帯保証人になっていた場合、離婚後もその義務が残るため、ある日融資の返済を請求される可能性があります。
夫婦で開業する方法を3STEPで解説
夫婦でフランチャイズ経営するとなった場合、どのような手順で開業すればいいのでしょうか?
フランチャイズに加盟して開業するまでを3ステップにまとめました。
基本的な流れは、一人でフランチャイズに加盟する場合と変わりません。夫婦の場合は二人で経営するので、自分勝手に本部を選べない違いがあります。
開業後の不満を減らすためにも、夫婦でよく話し合ってから準備に取り掛かることをおすすめします。
①どんなビジネスを経営するのかを決める
本部探しを始める前に、フランチャイズ加盟後のビジョンを、お互い明確にしておきましょう。
たとえば、
- どんな業種に加盟するのか
- どのくらい事業に専念するのか
- 自分の得意分野や担当したい役割は何か
- 自分が妥協できるところ・できないところはどこか
- 家事や子育てなどのルールはどうするか
など、具体的に話し合っておくことをおすすめします。
話し合いが不十分なまま開業してしまうと、事業を進めていくうちに夫婦間の関係が悪化する可能性があります。
具体的なイメージができないときは、いくつか気になる本部に資料請求してみることをおすすめします。開業後の様子が把握しやすくなるので、対策も立てやすくなります。
フランチャイズの合同説明会に参加したり、実際に夫婦で開業した方たちの話を聞いたりするのも有効です。
②加盟する本部を決める
経営ビジョンが固まってきたら、加盟する本部を探します。フランチャイズで成功するためには、本部選びが最も重要といっても過言ではありません。フランチャイズは、どうしても本部の立場が強くなるビジネスです。しかも加盟すると簡単に解約できません。契約する本部は慎重に選んでください。
本部を選ぶ際には以下のポイントに注目すると、失敗するリスクを減らせます。
準備できる資金で開業できそうか
開業資金が高額になると、契約期間中に回収しきれないリスクがあります。収入が安定する前に資金が底を尽きてしまうと、経営できなくなるかもしれません。フランチャイズは毎月の支出が多いため、開業資金は余裕をもって用意しておくことをおすすめします。
融資を行ってくれる本部もありますが、解約するときに返還方法を巡ってトラブルになるケースも多いので注意が必要です。
経営ビジョンにマッチしている本部か
一見同じように見える本部も、それぞれ方針があります。自分たちの経営ビジョンに合っている本部と契約することで、ほしいサポートを受けやすくなります。
経営時のトラブルに対して、本部がどこまでサポートしてくれるのかも確認しておくと、安心して開業できます。
信頼できる本部か
残念ながら、フランチャイズ本部の中には悪質な本部も存在します。また本部の看板を使って経営するため、本部の評判が悪いと開業後の集客に苦戦します。
本部の社会的信用度は、必ず確認しておきましょう。
契約書の内容をしっかり説明せず、サインを急かす本部には要注意です。
③開業
加盟する本部が決まったら、いよいよ契約です。
一般的な本部では、契約前に面談を行い、お互いにビジネスパートナーとしてやっていけるか確かめます。問題なしと判断したら契約書にサインして、フランチャイズ経営のスタートです。
加盟金や保証金など、一部の開業資金はこの前後のタイミングで支払います。開業前にしっかり準備しておきましょう。
フランチャイズに加盟すると、本部から開業に必要なサポートを受けられます。開業する物件の紹介や、資格の取得サポートなど、さまざまな支援を受けられます。
夫婦で開業するなら!おすすめのビジネス4選
買取業
買取業はお客様が持ち込んだ品物を買い取り、専門業者や本部に卸すことで利益を得るビジネスです。小規模で運営できるため、夫婦での開業におすすめです。
買取業では、取扱品に対する深い知識が必要です。一人ではどうしても知識が偏ってしまいますが、夫婦なら得意分野を広げられます。
さらに、お店を営業したまま、出張買取に行くこともできるため、お客様を逃しにくく、ビジネスチャンスが広がります。夫婦のどちらかが店舗での接客を担当することで、積極的に出張買取を行えます。
ブランド品やレアカードなどが好きで、ついつい収集してしまう方におすすめです。
配食サービス
お弁当を作って、お客様の指定した場所に届けるサービスです。夫婦で役割分担することで、効率よくサービスを提供できます。
フランチャイズでは、すでに完成している食材を盛り付けるスタイルが多いので、料理に自信のない方でも安心です。地域によって配送する人を変えたり、曜日ごとに担当者を変えたりもできます。
近年、高齢者向けの配食サービスが人気です。理由には核家族化や少子化などがあり、高齢者だけの世帯が増えていることが挙げられます。
買い物や料理が難しい高齢者でも、安心しておいしいご飯を食べたいというニーズに、配食サービスはぴったりのビジネスです。
カフェ
カフェもフランチャイズでオープンできます。
他の業種に比べて営業時間の融通が利くため、プライベートを充実させやすいです。子どもの行事に参加したり、ゆっくりと家族の時間を過ごしたりできます。
仕事も大事だけど、家族と過ごす時間を大切にしたい!という方におすすめです。
一方で、経営の難易度が高く生存競争も厳しいことでも知られています。競合他社との差別化や定期的な新メニューの考案など、アイデアが求められます。
フランチャイズなら本部のネームバリューを使えるため、知名度も上がります。新メニューの考案も本部が行うので、運営に集中できます。
ハウスクリーニング
依頼されたお宅に出向いて、清掃を行うビジネスです。店舗を構える必要がないため、開業資金を抑えられます。清掃に関する技術に自信がなくても、開業前の研修でしっかり身に着けられます。
未経験からでも安心して開業できるビジネスの一つです。
共働き世帯や高齢者世帯などを中心に、近年需要が増えています。お客様の中には「女性の一人暮らしなので女性スタッフに依頼したい」「力のある男性にお願いしたい清掃場所がある」といった希望を持つ方もいます。
夫婦ならこういった要望にも対応可能です。
“夫婦でフランチャイズ経営をすると、資金調達をしやすい・事業運営がスムーズなどのメリットがあります。夫婦で協力することで、プライベートとの両立もしやすくなります。
一方で、夫婦関係が悪化する原因になりかねない点には注意が必要です。夫婦経営を成功させるには、こまめに話し合って、お互いの意思を尊重しあう心がけが欠かせません。
まとめ
夫婦でフランチャイズ経営をすると、資金調達をしやすい・事業運営がスムーズなどのメリットがあります。夫婦で協力することで、プライベートとの両立もしやすくなります。
一方で、夫婦関係が悪化する原因になりかねない点には注意が必要です。夫婦経営を成功させるには、こまめに話し合って、お互いの意思を尊重しあう心がけが欠かせません。
フランチャイズに加盟すると、すでに知名度のある本部の経営ノウハウやブランドを借りられます。サポートも受けられるため、未経験でも安心して経営できます。夫婦でも加盟できる本部も多いので、ぜひ検討してみてください!