お客様からブランド品を買い取って、販売する買取専門店。参入しやすいうえに儲かりやすいビジネスとして、近年注目を集めています。
一方で、質屋のオーナーになりたいと考えている方も多いようです。質屋は物品を担保にしてお金を貸す事業なので、返済が滞っても損失が少ないメリットがあります。
どちらも一定のスキルを求められますが、フランチャイズ(fc)に加盟することでスムーズに開業できます。
…となると、気になるのは「どっちの方が成功しやすいの?」「どちらの方が儲かるの?」ですよね。
そこで、開業準備や営業方法など、さまざまな角度から比べてみました。
フランチャイズでも必須知識。買取業と質屋の違い!
買取専門店も質屋も、お客様が持ち込んだ品物を取り扱うビジネスです。
ですが双方には決定的な違いがあります。
買取専門店は、文字通りお客様から品物を買い取ることを前提としています。買い取った品物は、業者やネットショップで販売して、収益を出します。
質屋はお金を貸すことが、主なサービス内容です。持ち込まれた品物は、担保として預かります。お金が返済できなかったとき、それを売って損失分を補てんするシステムです。
この他にも注目するべきポイントを、3つまとめました。
必要になる許可証が違う
買取専門店のオーナーになるなら、「古物商許可」が必要です。
これは古物営業法にて定められた義務で、罰則も規定されています。無許可で営業していると、3年以下の懲役か100万円の罰金、もしくはその両方が課せられる可能性があります。
許可証を手に入れるには、警察署で申請手続きを行い、審査を受ける必要があります。テストや試験はなく、比較的簡単に申請できます。
質屋のオーナーになるなら、「質屋営業許可」が必要です。
質屋営業法で定められていて、無許可営業をすると、3年以下の懲役か10万円以下の罰金、もしくはその両方が課せられる可能性があります。
許可証を手に入れるには、こちらも同じく警察署で手続きを行います。質屋営業許可の申請件数は多くはなく、担当者も不慣れなケースも多いそうです。早めに相談して、確認してもらいながら手続きをすすめましょう。
申請前に必要な施設備が違う
古物商許可証を取得するには、「営業所」を用意しなければなりません。
営業所はどんな場所でも良い…というものでもなくて、いくつかの条件を満たす必要があります。
古物商にふさわしい営業所であると認められないと、買取専門店を開くことができないんです。
お客様から預かった品物を保管するための設備で、警察署が定めた条件を満たさなければなりません。
質蔵を用意するために、別途工事費が必要になるケースもあります。
複数の営業所を持つときも、大きな違いが
取得申請の手続きは、質屋も買取専門店もだいたい同じです。
用意ができたら、営業所の住所を管轄する警察署で、申請手続きを行います。
都道府県をまたいで複数の営業所を持つとき、大きな違いが現われます。
たとえば、東京都で営業していたお店が、神奈川県に支店をオープンするとします。
買取専門店なら、届出を警察署に提出します。特に手数料はかかりません。
質屋の場合、神奈川県で新たに質屋営業許可を取得しなければなりません。手数料も発生します。
いずれ全国展開や多店舗経営を考えている…という方は、負担の軽い買取専門店がおすすめです。
買取専門店と質屋。開業準備はどっちがスムーズ?
質屋と買取専門店は、似ているようで違うビジネスです。
必要になる資金や準備も変わってきます。
そこで、それぞれの開業に必要な設備や資金などを、詳しく解説します。
どちらの方が、スムーズに開業できるのでしょうか?
買取専門店の場合
必要なスペースを最小限におさえられるのが、買取専門店の強み。営業所としてふさわしい物件なら、自宅でも開業できます。
立地条件も飲食店ほど気にしなくていいので、物件取得費をおさえられます。
出張買取サービスを専門にすれば、オフィスビルや倉庫でも問題ありません。
買取専門店のオーナーは、古物商許可証を持っていなければなりません。
取得には、だいたい2万円弱の費用がかかります。
許可証申請の費用も含めると、開業は数十万円からでも可能です。お客様に支払う買い取り資金があるため、実際はもっと多額の資金が必要になります。
フランチャイズに加盟すると、1800万円が目安です。
質屋の場合
質屋の場合、質蔵の設置が大きなネックになります。
質蔵に必要な条件を、いくつかあげると…
- 地震や火災に耐えられること
- 空調設備(エアコン・除湿設備など)を設置していること
- 警報装置・監視カメラがあること
まるで銀行の金庫ですね…。
こんな設備を、営業所と同一の敷地内に設置しなければなりません。
質屋営業許可証の取得には、3万円弱の費用が掛かります。
これらを合わせると、開業資金は1000万~3000万円ほど見る必要があります。
さらにお客様に貸すためのお金も必要です。できれば余裕をもって用意することをおすすめします。
経営しやすいのはどっち?
開業に必要な準備について、ご紹介しました。
買取専門店の方が、準備へのハードルが低い印象です。
業務内容についてはどうでしょうか?
準備が大変でも、運営が楽なら自由な時間も確保できそうです。
集客の方法もあわせて、比較していきましょう。
買取専門店の経営はシンプル
買取専門店は、店舗運営も比較的スムーズにできます。
基本的には査定の依頼が来るまで、事務作業や商品の発送、情報収集などをしています。自ら訪問して営業する…ということはありません。
フランチャイズの場合、本部と定期的に情報交換をして、オーナーが孤立しないようにサポートしてくれます。
閉店時間後の残業も少なく、買取専門店を開いて時間に余裕を持てた方は多いようです。
来客数は多くなくても、充分な収益をあげられます。とはいえ成功するには、周囲からの評判は欠かせません。営業活動は積極的に行う必要があります。サイトを持っているお店は、買い取った品物を公開したり、記事を書いたりして、定期的な更新を心がけています。
買取専門店のオーナーは、周囲への気遣いが常に求められます。時間に余裕はあるものの、油断はできないビジネスなんですね。
質屋はやることが多い分、収益も期待できる
質屋の業務内容は多いですが、1日の流れは買取専門店と同じです。
基本的にはお店で来客を待ちながら、事務作業や情報収集、質流れ品の出品準備などを行います。消費者金融のような取り立てはなく、お客様に返済期限を知らせることもありません。本当に「待ちの姿勢」なんですね…。
お客様の中には、質に入れた物を引き取りにくる方もいます。そのため、買取専門店より気楽にお店を空けられないようです。
フランチャイズに加盟していると、買取業者の紹介やオークション会場のあっ旋をしてくれます。販売ルートが多ければ、高額で販売できる可能性が高まります。
集客方法には、インターネットやSNSを活用している方が多いようです。
お金の貸し借りをするので、「利用していることを知られたくない」「本当に信用できるお店を利用したい」というニーズがあります。そのため新規顧客の獲得には、口コミや地域の評判が欠かせません。
フランチャイズに加盟していると、SNSの運用方法も相談できます。SNSに苦手意識のある方には、嬉しいポイントですね。
質屋と買取専門店。儲かるのはどっち⁉
儲かるビジネスなのか、これが一番気になりますよね。
成功するかは、世間のニーズや市場の将来性がかかわってきます。
質屋と買取専門店は、不況になるほど需要が高まるといわれています。とはいえ、問題点もあります。
それぞれまとめましたので、参考にしてください。
買取専門店の収益は一点集中
買取専門店の売上を左右する収入源は、お客様が持ち込んだ品物です。専門業者や独自の販売ルートで販売して、その差額分が収益になります。
手に入れた商品は、最短で24時間以内に現金化できます。買い取ったブランド品を、その日のうちに業者に売ってしまえるんですね。
専門業者に売らなくても、自分で販売して収益を得られます。ネットショップなら、販売スペースを用意する必要はありません。
自分で販売すれば、値段は自由に決められます。さらに手数料もおさえられるので、利益率を最大限引き上げられます。
一方で、課題もあります。
近年、リユース業界は拡大を続けていて、買取店の数も右肩上がりです。店舗数が多いほど、競合他社との生存競争も激しくなります。
買取専門店はビジネス内容がシンプルなため、他社と差をつけるのが難しいです。価格競争に陥りやすく、仕入れ費用で経営が厳しくなる可能性があります。
出張買取サービスを導入すれば、立地条件に左右されず会社を運営でき、複数店舗の展開も可能です。「近所のショッピングモールが閉店した」「大手買取店が近くに出店した」といった、環境変化にも強いのでおすすめです。
質屋の収益は「利息」が中心
質屋の収入源は複数あるので、利益ゼロのリスクをさけられます。
質屋の主な収益は、「利息」と「質流れ品の販売」です。
質流れ品とは、返済が間に合わなかったお客様が持ち込んだ品物のことですね。貸したお金が返済できなかった場合、質流れ品を販売することで損失分を補う仕組みです。消費者金融のような貸し倒れは、まず起こりません。
利息は貸す側が自由に決められますが、法律によって上限が定められています。消費者金融の場合、年利(1年間の金利)は20%。質屋の場合、なんと109.5%です。月々に換算すると、9%まで設定できます。実際は、月々1~8%の金利で融資しているようです。
総量規制による貸付金の上限もないため、「今、お金が必要だ」というニーズにマッチしています。
近年、法改正によって消費者金融の業者数も減っています。競合他社も少ないため、経営できるスキルさえあれば、儲けやすいビジネスです。
フランチャイズ買取専門店を開くなら、開業支援サービスがおすすめ!
買取専門店と質屋を、「開業準備」「業務内容」「収益」などの視点から、比較しました。
ここまでの流れをまとめると、
- 買取専門店は開業や経営のハードルが低いが、生存競争が激しい
- 質屋は儲かりやすいが、開業や経営のハードルが高い
それぞれ、長所と短所がありましたね。
個人的な考えですが、経営しやすいビジネスの方が、成功しやすいのではないでしょうか。
上手く運営できなれば、結局廃業してしまいます。
買取専門店なら、多くのフランチャイズ・開業支援があります。選択肢の幅も広いので、自分のやりたいビジネスができる可能性も高いです。
質屋を開業できる、買取専門店フランチャイズもありますよ。
フランチャイズは開業後も安心して運営できる
買取専門店として成功するには、自分の会社が、世間的に信用される必要があります。
頻繁に利用されるビジネスでもないため、知名度の有無も重要です。
フランチャイズに加盟していると、すでに知名度のある会社の看板や広告を利用できます。
評判の店でいるためには、真贋判定や接客スキルを磨き続ける必要があります。
フランチャイズなら、スタッフを対象にした研修会や情報誌の発行など豊富なノウハウを知ることができ、加盟店オーナーとしてスキルアップできます。
一方で、加盟店オーナーは毎月ロイヤリティを支払う義務が発生します。経営方針も本部に従わなければならず、トラブルに発展するケースも多いです。
開業支援サービスは自由な店舗運営ができる!
開業支援サービスは、開業に必要な準備を総合的にサポートしてくれます。
古物商許可証の取得サポートから、事業計画のコンサルティングまで、内容はさまざま。ブランド横須賀では、店舗研修や買取業者の紹介などがあります。
開業後のサポートはありませんが、会社の経営方針や営業日など、オーナーが自由に決められます。
ロイヤリティもかかりませんので、月々の出費をおさえられます。
まとめ
買取専門店と質屋を、さまざまな視点から比較しました。質屋は開業準備や経営スキルに難点がありますが、儲けやすいメリットがあります。
買取専門店は開業や経営の難易度が低いので、成功しやすいビジネスといってもいいのではないでしょうか。ですが近年は店舗数も増え、生存競争が激しくなっています。
フランチャイズや開業支援サービスを利用すれば、失敗するリスクをおさえつつ開業できます。
「自分一人では難しい」と感じた方は、ぜひ一度検討してみてください!