「古物市場」は、一般の人には馴染みが薄いかもしれません。
しかし、リサイクルショップや買取店などを営む人にとっては欠かせない重要な場所です。
古物市場は、ビジネスの観点からみても非常に魅力的な仕入れ先なんです。
参加するためには紹介や登録料、参加費などが必要で、初心者にとってハードルかもしれません。
買取フランチャイズに加盟することで、古物市場を紹介してくれることもあるそうです。
その存在を知っておくことは決して損にはなりません。
古物市場には一般には出回らない珍しい商品があったり、より良い商品を、安く手に入れることも可能です。
そのため、古物市場はビジネスにおいて“最強の仕入れ先”ともいわれています。
ここでは、古物市場についてご紹介します。
古物市場とは
古物市場とは古物商だけが出入りを許される、中古品の取引場所を指します。
「古物商許可証」を提示して入場する競り場…といえば、一般的なイメージが伝わるかと思います。
古物市場には、他ではなかなか手に入らないユニークな商品が豊富に揃っています。
アンティークからヴィンテージ、レアなブランド品など様々な時代やスタイルの品々が並び、その多様性はまさに目を見張るほど。
古物市場を訪れると、思わぬ掘り出し物に出会えるかもしれません。
これらの商品は、一般の市場や通常の小売店ではなかなか見つけることができず、その希少性や独自性が古物市場の魅力となっています。
さらに、業者たちが商品を仕入れたり、在庫を処分したりするだけでなく、同業者同士の情報交換の場としても重要です。
入場には厳しい条件がある
そんな最強の仕入れ先である古物市場ですが、参加するためには、一定の条件や手続きが必要です。
以下に、その主な条件を紹介します。
古物市場への参加には、場所や地域によって異なる場合がありますが、一般的には次のような許可や登録が必要とされることがあります。
古物商許可証:
古物許可証が必要です。
古物商以外の人は、取引に参加することはできません。
ただし、見学の場合は身分証の提示で許可してくれる市場もあります。
「行商する」での許可:
古物商の許可を申請するときに「行商する」の選択をしていなければいけません。
ここでの「行商する」とは、「ここに書いた営業所以外でも取引する予定である」という意味です。
「しない」で申請すると、記入した営業所以外での取引ができません。
古物市場は営業所ではないため、「そこで取引できない=入場できない」…ということに。
この場合、「古物商許可書の書き換え申請と変更申請手続き」を行うことで解決します。
古物市場主の指定条件を満たさないと入場できない
古物商許可証の問題をクリアしても、まだ安心はできません。
古物市場の入場条件を満たさないと、基本的に参加することはできないからです。
その条件を決めているのは、古物市場を運営する「古物市場主」です。
「古物市場主」とは、「古物商同士の取引の場を提供し、オークションを運営する人」のことで、古物商とはまた別の許可が必要となっています。
ビジネスとして古物市場を運営しているため、信用できない人を入れるわけにはいきません。
そのために、参加条件を設けていることが多いそうです。
よくある条件は以下の通りです。
- 古物商許可証を取得して○年の期間があること
- 誰かの紹介があること
- 会員登録を済ませていること(そのための入会費がかかる場合も多いです)
これらはすべて古物商としての信用を証明するためのものです。
条件を満たしていなくても、古物市場主が許可を出せば入場できる場合もあるようです。
古物市場は多種多様
古物市場によって取引される品目はある程度決まっています。
貴金属のみを扱うものもあれば、中古車を中心に扱うものも…。
取り扱ってない古物市場に入っても、目当ての物が手に入る可能性はほぼありません。
それどころか、入場を断られる可能性もありえます。
きちんと、事前に確認をしてから参加申し込みをしてくださいね。
情報交換の場としても利用されている
買取フランチャイズの加盟店の場合、買い取った商品は本部がすべて現金化し、古物市場に行く必要のないケースもあります。
そもそも買い取り専門店の場合は、仕入れ先の必要性を感じない人も多いでしょう。
しかし、古物市場は様々な立場で商売している古物商が集まるため、有益な情報を手に入れることができます。
実際、情報交換もかねて古物市場に参加している方も多いようです。
常連と顔なじみになっておけば、今後のために有益な情報が手に入るかもしれませんよ。
古物市場での仕入れ準備
古物市場での仕入れを成功させるためには、下準備が大事です。
具体的な準備方法を見てみましょう。
どんな商品を買うか考える
需要を見極める:
自分のお店や顧客が欲しがる商品を見つけるために、市場での需要をチェックしましょう。
人気の商品や相場が分かれば、仕入れの参考になります。
個性的な商品を見つける:
古物市場には他では見つけられない商品がいっぱいです。
自分のお店の特色に合ったユニークな商品を見つけましょう。
そうすることで、お客さんに目を引くことができます。
商品の状態を確認する:
商品の品質や状態をよく見て、良い商品を選びましょう。
古い商品やアンティークは傷があることもあるので、注意して選びましょう。
予算を考えて準備する
いくら使うか決める:
事前にいくら使うかを考えておきましょう。
予期せぬ出費にも備えて、余裕を持った予算を設定しましょう。
支払い方法を決める:
現金やクレジットカードなど、古物市場で使える支払い方法を調べておきましょう。
ほとんどの場合、支払い方法は現金のみのようです。
古物市場での仕入れ準備は、成功のカギを握る大切なステップです。
適切な商品を選び、予算を考えながら準備をすることで、ビジネスの成功に近づくことができます。
古物市場ってどこでやってるの?
古物市場については各都道府県の公安委員会のWEBサイトなどでも知ることができます。
また買取フランチャイズに加盟することや、古物商関係の団体に所属することなどで参加権を得られることもあります。
最近ではSNSやチャットグループなどで古物市場についての情報を交換していることもあるそうです。
いくつかの都道府県の古物市場一覧について下記に紹介します。
気になる会場があれば参加条件や費用、開催日など問い合わせてみてください。
古物市場の流れはこんなカンジ!
古物市場はオークション形式なのですが、市場主のやり方によって異なる違う部分があります。
また、独特な雰囲気もあるため、「委縮して上手く仕入れができなかった」という声もよく聞かれます。
初心者に対しては、「一回目は下見と挨拶くらいで考えた方が良い」とアドバイスされることもあるそうです。
詳しい人に連れて行ってもらえると心強いですが、ツテがない人には難しいかもしれません。
幸いにも事前見学ができる古物市場もありますので、不安な場合は見学を申し込むのもオススメです。
1:参加の申し込み
古物市場は全国に1000近くあると言われていますが、毎日開催されているわけではありません。
参加には基本的に事前予約が必要です。
当日予約が可能なケースもありますが、会員登録が必要な場所ではまず当日参加は難しいです。
サイトなどで確認・申込みできるところも多いので、それぞれ確認してください。
自分が参加条件を満たしているのかを確認することも、忘れずに!
2:受付~準備
時間になったら、受付をすませます。
このとき、古物商許可証の提示が求められるので、忘れずに持参しましょう。
入場料を支払い、受付を済ませると、番号札や利用規約などの書類が渡されると思います。
必ず目を通しておいてください。
番号札は、古物市場における「名札」のようなものです。
競りの担当者から分かるようにしてくださいね。
また、会場によっては、競りが始まる前に商品を確認できる時間を設けていることもあります。
あまりゆっくり見ることはできませんが、有効に活用しましょう。
時間があれば、仕入れる商品の品質と状態をよくチェックしましょう。
傷や欠陥がある場合は、修理に費用がかかるかもしれません。
3:競り
会場に移動し、進行役が出てきたら、競りが始まります。
競りは地域によって独特のルールがあります。
関西では聞かないそうですが、関東では「符丁(ふちょう)」と呼ばれる単位で競りを行うところもあるようです。
「スタートの金額に対していくら」という考え方なので、予想以上の金額で競り落としてしまうこともあります。
テンポよく進んでいくので、遠慮していると折角のチャンスを逃す可能性があります。
進行役の人にも聞こえるよう、しっかりとアピールしてください。
また、競り落とせたら必ず「商品」と「落札価格」を記録しておくことをお勧めします。
記録は古物市場の関係者も取っていますが、料金を把握するためにも記録しておいた方がいいです。
4:会計・精算
精算を済ませて、商品を持ち帰ります。
量が多い場合は宅配を手配できる会場もあります。
この時に、「参加費」や「手数料」といった料金も別途で請求されるケースがほとんどなので、お金に余裕をもって競り落とすようにしましょう。
また、現金以外の支払いを受け付けていない会場もあるので、事前確認をするのがお勧めです。
古物市場での仕入れの注意点
仕入れのメリット
- 仕入れ先が広がる: 古物市場では、さまざまな出品者から多様な商品が取り扱われています。これにより、お客様からの買取では取り扱うことの難しい商品や、レアなアイテムを見つける機会が増えます。
- 適切な相場で仕入れることができる: オークション形式で、希望の金額で仕入れることができる。取り扱い商品や参加者が多く、オークション形式のため、結果的に適切な金額で取引されることが多いです。商品の相場も分かりやすく、安定した取引が行われています。
- 流行や相場を知ることができる: マーケットの需要やトレンドを掴み、新しいチャンスを見つけることができます。古物市場では、様々な商品が流通するため、最新の流行や市場の相場を把握することができます。これにより、需要の高い商品や適正な価格帯を把握しやすくなります。
仕入れのデメリット
- 初心者には理解しにくい登録やルールがある: 参加するには特定の手続きやルールが必要で、初心者には敷居が高い場合があります。
- 参加条件が厳しい: 参加するためには古物許可証や会員の紹介など特定の条件を満たす必要があり、それを満たさないと参加できないことがあります。
- 参加費や加入料が必要: 参加する際には費用が必要であり、初めての参加者にとって負担になることがあります。
- 品質に不安がある: 古物市場で取り扱っている商品は古物のため、品質や状態について不安があることがあります。
古物市場に参加するときに注意すること
予算をオーバーしないように注意する:
オークション形式の取引では競り合いが激しくなり、つい熱くなって予算をオーバーしないように気をつけましょう。
商品の状態をよく確認する:
商品の状態や品質を細かく確認し、思わぬトラブルを避けるために注意深く見極めましょう。
ルールを確認してマナーを守る:
撮影禁止やその他の禁止事項がある場合もありますので、事前にルールを確認し、マナーを守ることが重要です。
現金取引に備える:
古物市場では現金取引が多いため、取引に備えて十分な現金を用意しておきましょう。
初回は見学から:
初めての場合は、売買せずにまずは見学から始め、市場の雰囲気や取引の流れを把握することをおすすめします。
古物市場での仕入れは、メリットもあればデメリットもありますが、成功するためには計画を立て、注意を払うことが大切です。
需要を把握し、オークション落札のスキルを身につけ、リスクを最小限にしながら買取ビジネスを展開しましょう。
まとめ
買取フランチャイズに加盟している場合、本部の方針や経営スタイルによっては古物市場に縁のない人もいるかもしれません。
しかし、買取業を極めたいのであれば、古物市場の活用が不可欠です。
勉強や人脈づくりの一環として、古物市場をのぞいてみることも有益でしょう。
また買取フランチャイズ本部が古物市場を主催しているケースもあるようです。
買取フランチャイズ加盟を検討する際は、古物市場の利用についても確認してみるとよいでしょう。