志をもって起業を目指す人のなかには、個人で起業するかフランチャイズで起業するかを迷う人もいるでしょう。
フランチャイズで起業したときの成功率を考えることで、今後の起業に向けての計画を考えるキッカケになるかもしれません。
個人起業とフランチャイズの5年継続率
まずはフランチャイズにおける成功について考えてみたいと思います。ここでは個人起業とフランチャイズで、5年間ビジネスが継続できたかどうかを指標にします。
さまざまな統計データがあるなかで、個人企業で5年継続できる確率は約30%程度と言われています。一方でフランチャイズの5年継続率は70%以上といわれており、倍以上の開きがあります。
ただ、「継続できていれば成功か」というと、これは業界ごとの特性や店舗ごとの経営状況により、必ずしも継続している=成功とも言い切れないのも事実です。
もっとも、フランチャイズならではの特徴はあると思いますので、ご紹介します。
フランチャイズの成功率と3つの特徴
個人起業とフランチャイズではもちろんメリット・デメリットも異なりますが、5年継続率が異なるのにはそれなりの理由があるはずです。
個人企業とフランチャイズの成功率から見えてきた特徴を3つご紹介します。
経営ノウハウの有無
個人起業とフランチャイズで決定的に異なるのはこの点だと思います。
フランチャイズでは商号や商標、独占販売権の利用ももちろんですが、ビジネスを継続していくための「ノウハウ」をフランチャイジーから得ることができます。
ゼロからの起業とはいえ、個人で起業をするのとは違い、この「ノウハウの有無」が5年という年月における事業継続には少なからず影響しているはずです。
フランチャイザーの視点
フランチャイズ契約をする際の視点を変え、フランチャイズする側(フランチャイザー)になったと思って考えみましょう。
フランチャイズは経営ノウハウや商標などの使用権を与え、ロイヤリティを受けとることで成長するビジネスです。
せっかく経営ノウハウを与え、商標も使用してもらっているにも関わらず、加盟店が1年でビジネスを継続できなくなってしまえば、ロイヤリティの支払いを受けることはできません。
フランチャイズ契約は、加盟店がビジネスを拡大して継続して利益を得られる方が助かるわけです。そう考えると、「経営ノウハウ」を積極的に共有してサポートする方が理にかなっていますね。
ビジネスモデル
次に起業時の動機について考えてみましょう。起業する動機は人それぞれかもしれませんが、フランチャイズで起業する人の多くは、リスクを低くしてビジネスを継続したいと思う人が多いのではないでしょうか。
単身で個人起業する人は、加盟店になってビジネスをやりたい、というよりは「いつか本部側(フランチャイザー)になって自分がビジネスのオーナーになる!」ぐらいの野心をもっている方が多い印象です。
業界にもよりますが、リスクと投資金額のバランスをみて、自分にあったスタイルで起業できる、というのがフランチャイズの特徴のひとつ。その特徴は5年間の継続率に関係しているかもしれません。
フランチャイズで成功しやすい人の特徴は?
フランチャイズで成功しやすい人は素直な人です。
加盟店から提供されるノウハウを素直に受け止め、真意を理解し、実践に移して、疑問に思った事があれば質問をする。
故に、コミュニケーション能力も必須な条件です。
また、過去の経験やキャリアにとらわれないことも大切です。
過去の経験を経営に活かすのももちろん大切なことですが、とらわれすぎてはいけません。
思考の幅を狭めてしまうことになります。
起業してどうなれば「成功」なのか、しっかり考える
「成功」とは何を遂げれば成功と言えるのでしょうか?
成功の度合いは人によって個々にあります。
大きな金額のお金を稼いで成功の人もいれば、継続してお金を稼げるようになって成功と考える人もいます。
フランチャイズで成功しやすい人の特徴は、共通してフランチャイズで開業する上で明確な目標を持っている人です。
自分にとって「成功とは何なのか?」という目標をしっかり決めておきましょう。
本部任せは失敗の原因に。自主的に動くように心がけよう
フランチャイズの加盟店からのノウハウを守って経営することはとても大切なことですが、時には、不測の事態が発生したときには、状況に応じて柔軟に対応しなければなりません。
フランチャイズの経営は加盟店からのノウハウですべて賄えるわけではありません。
学習したノウハウは意識しながらも、最終的には自分で判断できるようにならなければいけません。
自分のお店は自分で守る、という意識が大切です。
フランチャイズのサクセスストーリー!成功例をご紹介
実際に転職してフランチャイズを始めた方や副業としてフランチャイズを始めた方の成功例を紹介します。
フランチャイズを始めたいけど「自信が無い」「成功できるか不安」「どのような心持で始めれば良いのか」など考えている人に、背中を押すきっかけになればと思いますので、是非一読ください。
訪問マッサージ師から買取業に転身したAさんの成功例
Aさんは初めは訪問マッサージ店をフランチャイズで開業しました。
その後、訪問マッサージ店から買取業へと業種転換をしたことにより成功を納め、オープン2週間で1か月分の想定粗利を記録します。
最初に開業した訪問マッサージ店のフランチャイズはいわゆる「立ち上げフランチャイズ」で、加盟金さえ入金すれば、あとは経営のサポートをしないような加盟店でした。
Aさんはマッサージ店のノウハウを学び、2年後には屋号を変えて独自の訪問マッサージ店を開業させました。
開業した訪問マッサージ店も満足いくまでに成長しましたが、年齢に無理がたたって来たことと人材不足により、店をたたむ決断をします。
次に始めたのが「買取業」のフランチャイズです。
買取業は会社の数が多く、フランチャイザー選びは容易ではありません。
しかし、今までマッサージ店を経営してきノウハウはを活かし、説明会の3日後には加盟の意思を伝えていました。
いざ、開業すると一日に5人くらい来店すれば上出来のところ、20人以上のお客さんを呼ぶことに成功します。
更に、買取業のフランチャイザーからは経営のサポートをしっかりと受けることができました。
オープン2週間で1か月分の想定粗利を記録します。
副業としてフランチャイズを利用して起業したBさんの成功例
Bさんは40代後半でサラリーマンと飲食店のオーナーとして複業をこなしています。
Bさんはサラリーマン一本で働いていた頃、いつまで働いていけるのか、退職金は出るのだろうか、年金は貰えるのかなど将来について不安を抱いていました。
そんなときに検討したことが「複業」という考えです。
「複業」とは「副業」の本業のサブとして働くのとは違い、様々な仕事を均等に行なっていくという考え方です。
Bさんは早速、飲食店として「食パン専門店」を開業しました。
加盟したフランチャイズの会社も本部のいいなりではなく、食パン以外のオリジナルメニューも行っても良いという自由度の高い会社でした。
食パンも売り上げが良く、月間150万円が平均なところ、250万円以上の売り上げを出すことが出来ました。
一時期売り上げが落ちてしまったことがありましたが、そんなときは工夫をして、落ちた売り上げを少しずつ戻すことにも成功しています。
暑い日にはアイスを出したり、地域の祭り時には出店するなどです。
他にもカフェを併設したりもしています。
カフェを併設すれば、ついでに食パンも購入する率が高いからです。
Bさんの試行錯誤の結果、売り上げも右肩上がりで、今後は2号店3号店と考えているそうです。
まとめ
大切なことは、不利な状況でも学ぶ姿勢を崩さず試行錯誤し、どんな状況下でも学べることは貪欲に学びつくすことです。
また、Bさんの様に、常に売れ上げを伸ばすために、お客さんの心理やニーズを察して試行錯誤を行なっていく事も大切です。
「成功」とは人によっていろいろ考えられます。
皆さんもフランチャイズで開業する際には、自分にとって何が成功なのかを考えてから始めることをお勧めします。