フランチャイズ、ねずみ講、マルチ商法をなんとなくの印象で同じビジネスとして理解している人もいるのではないでしょうか。
確かに似ている点もありますので、どのような点が似ていて、なにが違うのかを紹介したいと思います。
不必要に警戒することで、せっかくのビジネスチャンスを逃してしまったら、それは勿体ないですよね。
フランチャイズと混同されるビジネス3つ
そもそもフランチャイズって?
本部(フランチャイザー)と加盟店契約を締結し、加盟金(ロイヤリティ)を支払うことで商標、商号、独占販売権を得ることができるビジネスモデルです。
本部が育ててきたビジネスのノウハウや信用を短期間で得ることができるため、ひとりきりで起業して開業する際のリスクを軽減することができます。
「ねずみ講」、「マルチ商法」と似ている印象を受けるのは本部(フランチャイザー)が、類似ビジネスにおける「親」や「上位会員」を想起させるからではないでしょうか。
決定的に異なるのは、「早いもの勝ち(無限連鎖取引)」の仕組みが無いことですね。
もちろんフランチャイズ契約も法律行為ですから、契約時の注意点やビジネスモデルのメリット・デメリットはあります。
それでは次に、フランチャイズビジネスと混同されやすいビジネスの例を見てみましょう。
ねずみ講
ねずみ講は法律で禁止されている違法行為です。他人を勧誘して会員費を徴収し、その徴収した会員費を上位組織に上納することで利益の分配を受けるビジネスです。
例えば、あなたが3万円を払って会員になります。次にあなたが新しい会員を3人勧誘して入会させることで上位組織には9万円が入り、その勧誘の対価としてひとり1万円ずつの3人分、合計3万円を受け取る仕組みです。
会員が無限に増えていく限り、早期に入会した人物は多額の利益を得る仕組みにはなりますが、実際の世界では人口には限りがあるため、すぐに新規の会員を勧誘することはできなくなります。
「無限連鎖講の防止に関する法律」で禁止をされている違法行為です。
マルチ商法
マルチ商法には実は明確な定義はありません。仕組み自体はネズミ講と似ていますが、会員費ではなく特定の商品の売買が介在します。
会員は上位会員から商品を購入し、自分より下位の会員または他者に販売し利益を得ます。その利益を上位会員に上納することで、利益の分配を受ける仕組みです。
「早いもの勝ち」で会員になることで多額の利益を得ることができるように錯覚を起こしやすいですが、これもねずみ講と同様、相当量の販売を継続しなければビジネスとしては成立しませんので注意が必要です。
ネズミ講と異なり、これ自体は違法行為とはされていませんが、商材や勧誘方法によっては違法行為と認定される場合もありますので注意しましょう。
代理店
ねずみ講とマルチ商法とは2つの意味で決定的に違いがあります。
ひとつは違法でもなくグレーでもないこと。もちろん極めて理不尽な代理店契約の場合は別ですが、代理店契約は日常でよくみるビジネスです。
ふたつめは、あなたがなにかを販売したとき、あなたと顧客(買い手)とは売買契約はありません。シンプルに仲介しているだけです。
代理店契約というのは、売り主の代わりに営業をし、お客さんを紹介する代わりにその仲介手数料をもらうビジネス、と理解しておきましょう。
これだけ押さえれば大丈夫、フランチャイズの特徴3点
フランチャイズ契約では商号、商標、独占販売件の利用を条件に加盟店契約を締結するのが主流です。
商標、商号、独占販売権とはどのようなものかご紹介したいと思います。
商号
商号というのは「会社名」のことです。
会社を設立し法人として活動をすることを第三者に証明するためには法務局に「登記」をします。この申請のときに「この◯◯という会社はわたしがつくりました」と登録するわけですね。
証明書なので、登録されている会社と全く同じ会社名で突然に名乗ることができません。
歴史を持つ有名な会社と同じ名前の会社をつくり、いろんな人がいろんなところで同じ会社名を名乗れると、世の中が混乱してしまいます。
会社名というのはその会社の信頼そのものですので、フランチャイズ契約でその「信用」のもとにビジネスを始められる、というのは大きなメリットのひとつですね。
商標
商号と似ていますが、商号が「会社名」という名前だけなのに対して商標は商品やサービスを表現するための標識を指します。
世の中にはその「標識(マーク)」を見ただけで、「あの会社のあのサービスだ」とすぐに認識できるものがありますね。
商号と同様、会社名や店舗名、商品名の標識をそのまま利用できるのがフランチャイズの特徴です。
独占販売権
特定の地域の出店や特定の商材についての販売権を、独占して得ることができる権利のことです。
特定のお店でしか売っていないサービスや商品を販売することができる権利や特定の地域での出店を独占する権利などを指します。
まとめ
フランチャイズとそのほかの一部の似ているビジネスモデルを紹介しました。
似ている点もありますが、これを機会にフランチャイズの仕組みについて正しく理解をすることで、不必要に警戒をしたり、せっかくのビジネスチャンスを逃したりしないように気をつけたいですね。