清掃業は不況にも強く、将来的にもなくならない仕事だといわれています。
今後は共働き世帯や高齢者を中心に、需要が増えていくのでは?という声もあります。
でも、AI(人工知能)技術の発展によって、なくなるのでは…?
そう思っている方も多いのではないでしょうか。実際、最近のロボット掃除機は高性能ですあり、手の届きやすい価格帯の製品も登場しています。起業しても需要が続くのか、不安になってしまいますよね。
このような状況を踏まえ、清掃業の将来性について調べてみました。
清掃業で起業を考えている方に、おすすめです。
清掃業はなくならないってホントなの?
結論からいいますと、清掃業がなくなる可能性は限りなく低いです。
というのも、生き物が存在する限り、掃除が必要な場所はなくなりません。AIやITなどの技術が発展している現在でも、ロボットでは処理しきれない清掃場所は多いため、まだ需要はあります。
一部の清掃業務はなくなるかもしれませんが、完全になくなるとは考えにくいです。
一方で清掃業界には、人手不足や資源価格の高騰などの問題があります。何の対処もせず起業すると、経営が苦しくなるでしょう。開業する前に、対策を練っておくことをおすすめします。
AIやIT技術の発展で清掃業はなくなるのか
AIやIT技術が発展しても、清掃業がなくなる可能性は低いです。
というのも、ロボットではどうしてもできない清掃があるからです。例えば、床を自動で清掃するロボット掃除機は、広い空間の掃除には向いていますが、部屋の角や段差などは不向きです。
さらにデリケートなものや複数の薬品を使い分けるような場所では、経験から判断できる人間の方が、正確に作業できます。
これからの発展によっては、人間と同じパフォーマンスをするロボット掃除機が登場する可能性も否定できません。
しかし現状では、ロボットが清掃業務をサポートする形にシフトしていく可能性が高いです。床掃除や窓ふきといった簡単な清掃作業はロボットに任せ、専門的な技術を求められる場所は人の手で掃除する…といった具合ですね。
将来的に仕事は減るかもしれませんが、人間にとってもより働きやすい環境になるかもしれません。
ただし工夫しないと儲からない
床掃除や窓ふきといった簡単な業務は、今後ロボットの仕事になる可能性が高いです。清掃業界で生き残るためには、専門的なスキルを身につける必要があります。
さらに、同業他社との差別化を図るために工夫する努力が必要です。
起業を考えている方の中には「清掃業は不況に強く、なくなる仕事ではない」ということを知っている方は多いでしょう。つまり、ライバルは多い状況です。
他の業者がやっているようなサービスだけでは、集客に伸び悩む結果になりかねません。お客様を増やすために価格を下げ、経営が成り立たなくなるケースも多いです。
独自性を生み出すことができれば、価格を下げなくても集客しやすくなります。
人手不足の深刻化やその他の問題も…
どの業界でも起こっている問題ですが、清掃業も人手不足が深刻化しています。清掃業務の有効求人倍率は、常に高い状態です。「求人を出しても、応募が来ない」という状況なんですね。
体力的な負担のわりに収入が低く、なかなか人材が定着しないようです。
一人でやっていく分には問題ないかもしれませんが、いざ事業を拡大しようとしたとき、従業員が集まらない可能性が高いです。休みたいと思っても代わりの人がおらず、休めない状況に追い込まれるかもしれません。
ここ数年、資源価格の高騰が原因で、月々のコストも値上がりしています。清掃業者からの値上げ交渉が増えている…という話も耳にします。道具や洗剤、移動費など、あらゆるものが値上がりしているため、やむをえず値上げしている業者も多いそうです。
あまりにも価格が高いと依頼も減ってしまうため、結果的に赤字になる恐れがあります。なるべく値上げを抑えるに、コストを抑える工夫が求められます。
清掃業で生き残るためには?
清掃業は誰でも開業できるビジネスですが、それだけに競合他社も多いです。
続けていくには、かなりの努力や工夫が求められます。
清掃業者として開業して、長く経営するためのポイントを調べました。
- 仕事は丁寧に行う
- 感じのいい接客を心がける
- 健康管理を徹底する
- 他社との差別化やスキルアップを図る
意外と基本的なことが中心ですね…。
誰でもできることなので、ぜひ意識してみてください。
仕事は丁寧に行う
どのビジネスにもいえますが、新しい顧客を増やすのと同じくらい、リピーターを増やすことも大切です。清掃は定期的に行うのが一般的なので、その都度依頼してくれるお客様がいれば、安定した収入が期待できます。
お客様に「またこの人に頼みたい」と思ってもらうには、丁寧な作業が効果的です。
依頼された分を確実にこなしていけば、お客様から安心できる業者として認められます。お客様から信頼されるよう心掛けけていれば、自然にリピーターも増えてきます。
清掃業はごまかすのが難しく、手を抜いた分は汚れとして残ってしまいます。
お客様にガッカリされてしまうと、その後依頼してもらえる可能性は低いです。あまりに仕事が雑だった場合、お客様から苦情をいわれる可能性もあります。
サラリーマンと同じで、仕事に対する姿勢は、意外と多くの人に見られてるんですね。
感じの良い接客を心がける
清掃業は黙々と清掃するイメージがありますが、お客様と話し合うシーンも多いです。特に個人事業主として経営している場合、お客様とのやり取りは基本的にすべて自分で行います。
そのとき横柄な態度をとっていたり、身だしなみが悪かったりすると、お客様に嫌がられてしまいます。リピート客を逃すだけでなく、クレームにつながる原因にもなる場合があります。
逆に愛想が良かったり、誠実な接客態度で接していれば、お客様からの評価も上がります。
コミュニケーションが苦手な方でも、お客様の話をしっかり聞いて、要望に応えていけば、評価されやすくなります。
清潔感のある格好と正しい姿勢を意識するだけでも、印象は大分よくなりますよ!
健康管理を徹底する
経営者には、サラリーマンのような有給休暇制度はありません。休業したら、その期間は収入がゼロになります。最悪の場合、客足が遠のく原因にもなりかねません。
そうならないためにも、健康には常に気をつかいましょう。
その上で、自分の体力と相談しながら、収入を確保できるバランス感覚も求められます。
とにかく清掃業は体力勝負です。女性でもやりすい印象があるハウスクリーニングでも、体力的に厳しいと感じるシーンが多々あります。長時間同じ姿勢を維持するため、肩や腰などを痛める場合もあるでしょう。個人事業主は労災保険に加入できないので、治療は自己負担となります。さらに休業に追い込まれた場合は、経営に大きな悪影響を与えてしまいます。
いろいろな理由から無理をしがちになってしまいますが、経営者は体が資本です。
仕事のオン・オフをしっかりして、メリハリをつけるよう心掛けましょう!
他社との差別化や、スキルアップを図る
清掃業で長く続けるには、やはり値下げ競争に巻き込まれないことは重要です。
誰にでもできる程度の清掃なら、お客様はなるべく価格を抑えてくれる業者に依頼します。そのため業者の間で値下げ競争が起こり、利益を得にくくなってしまうんです。
値下げ以外の方法で売り込むことができれば、利益率を維持したまま経営できます。
一番簡単なのは、清掃技術を磨くことです。サービスの質が良ければ、値段が高くてもビジネスは成り立ちます。スキルアップして、お客様に喜ばれるサービスを提供できるようになれば、自然と口コミも広がっていきます。
他にも、独自性のあるサービスを提供する方法があります。ライフスタイルも多様化している現在、「もうちょっとこうしてほしい」という細かいニーズは多いです。そういった声に柔軟に対応することで、依頼数を増やせます。
清掃業に向いている人の特長3選
清掃業は、基本的に特別な資格や許可もなく開業できます。
しかし続けていくのは、なかなか大変です。開業後に「こんなはずじゃなかった」と後悔しないためにも、自分との適性を調べておくことをおすすめします。
ここでは、清掃業に向いている人の特長を3つご紹介します。
- 同じ作業でもまじめに取り組める
- 虫や汚れに耐性がある
- 体力がある
それぞれ詳しく解説していきます。ぜひ、参考にしてください。
同じ作業でもまじめに取り組める
清掃業では、忍耐力が求められます。
基本的には同じ作業の繰り返しで、いかにスムーズに業務を終わらせるかが求められます。仕事に慣れてきても、モチベーションを維持できる方が長続きしやすいです。
ハウスクリーニングの場合、お客様の自宅が主な清掃場所になります。清掃中に家具を傷つけないよう、細心の注意を払わなければなりません。さらに、お客様から細かな指定をされることもあります。急な要望でも迅速に対応できる方は、お客様から喜ばれる業者になれるはずです。
虫や汚れに耐性がある
きれい好きな方は、清掃業に適性があります。面倒な場所でも掃除できる方は、途中でつらくなってしまう確率は低いでしょう。普段からこまめに掃除している方なら、すでにある程度のノウハウが身についているはずです。
とはいえ、自分が汚れることに過度な抵抗を覚える場合はおすすめできません。
清掃業は、汚れている場所をきれいにする仕事です。依頼によっては、ほこりやカビ、虫が発生している場合もあります。汚れに対して強い嫌悪感を感じる方は、強いストレスを感じてしまうかもしれません。ストレスをため続けてしまうと、業務にも影響を及ぼします。
清掃業で開業するなら、虫や汚れに対してある程度の耐性が必要です。
体力がある
清掃業は体力を使う仕事なので、体力に自信のある方に向いています。
重いものを運ぶのはもちろん、中腰やかがんだ姿勢で長時間作業するため、腰を痛めてしまう方も多いです。頑固な汚れを落とすために力を使うシーンもあるため、肩や腕にも負担がかかります。
これらの問題にも対処できる方なら、清掃業と長く付き合っていけるでしょう。逆に体を動かすことが苦手な方は、ビジネスが軌道に乗ってくるにつれて、業務についていけなくなる可能性があります。
体力に自信がない場合、肉体的な負担が少ないビジネスに変更するのも有効です。
たとえば、買取業なら基本的に座りながらでもできるため、体力に不安を覚える年代の方でも安心して始められます。買取業は小規模でも始められるので、開業資金も少なく済みます。
清掃業と同じく「不況にも強いビジネス」といわれていて、初めての開業でも多くの利益を出した方はいます。
業種にこだわりなく、利益を出せるビジネスを考えているなら、買取業はおすすめです。
不安な方は、フランチャイズがおすすめ
実際は、これに加えて「経営者」としてのスキルも求められます。
特に個人事業主だと、営業活動や経理など、すべての業務を一人でこなさなければなりません。専門業者に依頼するケースも多いですが、費用もかかるため自力で対応しているオーナーもいます。サラリーマン時代では当たり前だった考え方が通用しないシーンもあるため、上手く切り替えられず苦労する方も多いようです。
「脱サラはしたけど、いきなり経営者としてやっていけるか不安…」
という方は、フランチャイズでの起業がおすすめです。フランチャイズなら、業界で活躍している企業から、経営マニュアルやサポートを提供してもらえます。本部が培ってきた清掃ノウハウも教えてもらえるので、清掃スキルも身に付きます。
気になった方はぜひ検討してみてください。
まとめ
清掃業は、今後も需要が続く見通しです。ロボットよりも柔軟に対応できる人間の技術が求められる場所は、多く存在します。一方で、ロボットでもできる掃除だけで生計を立てるのは、今後難しくなる可能性が高いです。
清掃業で長く続けるためには、専門的な清掃スキルを身に着けたり、他の業者との差別化を図る必要があります。
上手くやっていく自信が持てない方は、フランチャイズでの起業がおすすめです。デメリットもあるので、加盟の際は慎重に判断してください。
特に業種にこだわりがないなら、参入するビジネスを変更する方法も有効です。買取業は、清掃業よりも体力的な負担が軽く、高収入が期待しやすいためおすすめです。