本部の看板や商品、経営ノウハウなどを使って開業するフランチャイズ。
店舗での研修制度などを利用すれば、貴重な経験も身に付きます。
しかし、その対価として「ロイヤリティ」を支払うため、毎月の支出は高くなりがちです。
それだけに、自分の手元にいくら利益が残るのかは気になりますよね。
そこで今回、フランチャイズの利益率について解説していきます。
ぜひ最後まで読んで、本部選びの判断材料にしてください。
フランチャイズの利益率ってどうなっているの?
利益率とは、売上に対して、利益がどのくらいの割合を占めているかを表したものです。
利益率が高ければ高いほど「儲かっている」といえるわけですね。
以下の計算式で、利益率は算出できます。
- 売上高-費用=利益
- 利益÷売上高×100=利益率(%)
フランチャイズでは「ロイヤリティ」が費用の金額に大きくかかわってきます。
利益率を確かめる際には、ロイヤリティがどうなっているのかも確認しましょう。
利益率が高いビジネスのポイントは?
利益率は業種によって変わります。
これは仕入れや人件費などコストの違い、ロイヤリティの方式や相場などの理由があります。
例えばコンビニの利益率は2~5%程度といわれるのに対し、買取店は20~40%。
同じ小売業なのに、ここまでの差があるんですね…。
利益率が高いビジネスには、「仕入れがいらない」「店舗を構えなくてもいい」などの共通点があります。
必要経費が安くなれば、その分利益が増える…というわけですね。
例えば、無店舗で開業できるハウスクリーニングは利益率60~80%、学習塾は40%前後です。
フランチャイズ本部から材料や道具を格安で仕入れたり、新規顧客やリピーターを獲得したりすることで、支出費用をおさえることができます。
支出が少なければ、同じ売上でも利益率は変わってきますよね。
必要な道具を格安で提供してくれたり、積極的に宣伝してくれる本部を選ぶことで、加盟店の負担を減らすことが可能です。
特に利益率が高い業種は、ロイヤリティに注意しよう
利益率が高いという理由で、契約する本部を安易に決めてしまうのは危険です。
利益率が高い業種の場合、ロイヤリティも高めに設定されているケースがあります。
ロイヤリティの決め方は、フランチャイズ本部によってさまざまです。
最も多い契約は、売上金に一定の比率を掛けて計算する売上歩合方式です。
利益率が高いと言われる業種はロイヤリティの歩合も大きく、ハウスクリーニングの場合は50%前後といわれています。また、売上金によって料率が変わるケースもあります。
コストがかからないからといって、儲けが大きくなるとは限らないんですね。
一方で、毎月決まった金額を支払う方式を採用している本部もあります。
売上が上がってもロイヤリティは高くなりませんので、売上が上がるほど得られる利益は増えていきます。
デメリットは、売上が少ない月でもロイヤリティが安くならないことです。
売上歩合方式と定額方式の両方から好きな方を選べるフランチャイズもあります。
安定した収益につなげるためにも、自分が納得できる方式・金額のプランを選ぶようにしましょう。
成功できるかは利益率だけでは分からない
フランチャイズの利益率について解説してきました。
フランチャイズの場合、ロイヤリティが利益に大きな影響を与えます。
実際の契約ではロイヤリティ以外にも、「広告宣伝費」「研修費」などの名目で費用を請求される場合もあります。
シミュレーションの際には、ロイヤリティだけではなく必要な費用全体を見るようにしましょう。
また、ロイヤリティが不要だったり、低金額のフランチャイズ本部の中には、初期費用が高額なものもあります。
初期費用の負担が大きく借金が返済できないなどのリスクが高いため、慎重に判断する必要があります。
利益率の高さやロイヤリティの金額だけでなく、サポート内容や将来性といった部分も含め、総合的に見るようにしましょう。