みなさん、「フランチャイズ」って聞いたことありますよね?
有名なハンバーガーチェーンやコンビニなんかがその代表例です。
実は、このフランチャイズ、起業したい人にとってすごく魅力的な選択肢なんです。
なぜかって?
まず、すでに有名なお店の看板を借りられるんです。
それに、お店の運営方法もバッチリ教えてもらえる。
さらに、困ったときには本部が助けてくれる。
こう聞くと、「わぁ、素敵!」って思いますよね。
多くの人が、フランチャイズに夢を見ます。
「憧れのあのお店のオーナーになれる!」
「安定した収入が得られそう!」
「やっと独立できる!」
でも、ちょっと待って!
実は、フランチャイズの世界、思っていたのとちょっと違う…なんてことも少なくないんです。
フランチャイズでよくあるトラブル3つのケース
契約してみたら「えっ、こんなはずじゃ…」なんて困惑する人も。
この記事では、そんなフランチャイズの意外な一面をお話しします。
夢いっぱいの開業に隠れた、ちょっとした落とし穴についてご紹介します。
これからフランチャイズを始めようと考えている人も、すでにオーナーとして頑張っている人も、ぜひ参考にしてくださいね。
ケース1:勧誘の甘い言葉に注意!
子ども好きのAさんの話を聞いてみましょう。
Aさんは、フランチャイズで教育系の事業を始めることにしました。
ある日、フランチャイズ本部の説明会に参加したんです。
そこで出会った担当者がとっても感じよく、親切で、Aさんはすっかり好印象を抱いてしまいました。
担当者は、こんなふうに言ったそうです。
「月々○○万円は確実に見込めますよ!」
「間違いない立地を紹介しますから!」
「生徒さんも紹介しますよ!」
これを聞いたAさん、すっかり安心して、その場で加盟を決めちゃったんです。
でも、実際にオープンしてみると…生徒さんはさっぱり集まらない。
儲かるどころか、家賃や人件費で毎月赤字続き。
焦ったAさんが本部に抗議したところ、「オーナーさんの努力次第とお話ししたはずですよ」とあっさりあしらわれてしまったんです。
Aさんの問題点
この事例の問題点は、勧誘時の甘い言葉を鵜呑みにしてしまったことです。
Aさんは後から契約書や説明資料をよく見直してみると、「売上を保証」ではなく「見込み」や「想定」などのあいまいな言葉で書かれていたことに気づきました。
説明会では確かにいろいろな資料を見せられたものの、難しい数字や法律用語ばかりで、Aさんはよく理解できませんでした。
「きっと何とかなるだろう」という甘い考えでスタートしてしまったことが、このトラブルの大きな原因だったんです。
この結果、Aさんは予想外の赤字に苦しむことになり、夢見ていた教育事業どころではなくなってしまいました。
精神的にも経済的にも大きなダメージを受けることになったのです。
失敗しないための対策は?
感じの良い担当者の言葉にそのまま飛びつくのではなく、笑顔で語られる内容も冷静にしっかりと考えることが大切です。
契約書や資料もしっかり目を通して、たとえ難しい言葉があっても時間をかけて確認しましょう。
わからないことがあれば、遠慮せずに質問してくださいね。
「保証」と「見込み」の違いにも気をつけましょう。
「確実」や「間違いない」といった言葉を聞いた際には、その内容を具体的に確認することが大事です。
必要であれば、弁護士や中小企業診断士などの専門家に相談するのも良い方法です。
また、その場で即決するのは避けて、一度持ち帰り、じっくりと冷静に考える時間を設けましょう。
すでにフランチャイズに加盟しているオーナーの話を直接聞ける機会があれば、実際の声を参考にするのもおすすめです。
フランチャイズを始める前に、一度立ち止まってしっかりと考えることはとても大切です。
夢や期待だけでなく、現実を見据えた冷静な判断が、あなたの未来を守る大きな助けになるかもしれません。
ケース2:しょぼいノウハウにがっかり!
個人で開業していたBさんのお話を聞いてみましょう。
経営が思うようにいかず苦戦していたBさん、フランチャイズチェーンに加盟すれば全てが解決すると考えたんです。
Bさんが期待していたのは、「フランチャイズ本部の強力な宣伝力」や「効率的な営業ノウハウ」「他では手に入らないオリジナルの資材」など。
ワクワクしながら契約したBさん。
さあ、これからは楽になるぞ!…と思いきや。
いざマニュアルやノウハウを教えてもらったところ、なんと「すでに知っていることばかり」。
期待していた儲かる営業方法も、「ちらしを配る」「割引券を発行する」などいたって常識的なことばかりでした。
それどころか、割引目当てのお客様が増えたせいで、細かい注文やクレームが急増。もともといた固定客のフォローができなくなり、常連客も疎遠になってしまったんです。
Bさんの問題点
この事例の問題点は、Bさんが期待していたフランチャイズのノウハウが、思っていたほど役立つものではなかったことです。
Bさんにとって、その内容は「目から鱗」というよりも、すでに知っている「当たり前」のことばかりでした。
そして、これがいくつかの悪影響を引き起こしました。
まず、投資が無駄になってしまった点が挙げられます。
加盟金や初期投資が、期待に見合わないノウハウのために使われてしまいました。
また、新しい顧客層、つまり割引目当てのお客様に対応するうちに、既存の大切なお客様を失ってしまい、事業にも後退が見られるようになりました。
その結果、Bさんのモチベーションも大きく下がってしまいました。
期待外れの内容により、やる気が失われてしまったのです。
さらに、自分なりのやり方を諦めざるを得なくなり、効果が薄いノウハウに従うことで、Bさんのオリジナリティも失われてしまいました。
結局のところ、Bさんは「こんなトラブルにあうなら、フランチャイズに加盟せず自分で続けていた方がよかったかも」と感じてしまったのです。
失敗しないための対策は?
ノウハウの具体的な内容を事前に確認することはとても大切です。
可能な範囲で、どんなノウハウが提供されるのかを具体的に聞いてみると良いでしょう。
また、業界経験者の意見を参考にするのも役立ちます。
同業他社での経験がある方に相談して、フランチャイズのノウハウが特別かどうかを尋ねてみるのもいいアイデアです。
さらに、フランチャイズに頼る前に、自社の強みや独自性を再確認してみましょう。
自分たちの特長を理解することで、効果的な戦略を考える手助けになります。
加盟する際には、いきなり全面的に契約するのではなく、部分的な提携から始めるのも良いかもしれません。
最後に、契約内容の細かい部分をしっかり確認することも忘れずに。
ノウハウの内容や更新の頻度、サポート体制が契約書にきちんと記載されているかを確認することで、後のトラブルを防ぐことができます。
こうした準備をすることで、より安心してフランチャイズに取り組むことができるでしょう。
フランチャイズで成功するノウハウ、確かに魅力的に聞こえますよね。
でも、実際のところどうなのか、しっかり見極めることが大切です。
「知っていることばかり」で後悔するより、自分の強みを活かす道を選ぶのも一つの手かもしれません。
皆さんも、フランチャイズの魅力的な謳い文句に惑わされず、冷静な判断を心がけてくださいね。
ケース3:研修という名のタダ働き
「素人でも始められる」という謳い文句に惹かれて、飲食店のフランチャイズチェーンに加盟を決めたCさんのお話です。
Cさんは本部から「研修でばっちり教えるから大丈夫ですよ」と言われ、実際の店舗で働きながら社員の指導を受けることになりました。
夢いっぱいでスタートしたCさんでしたが…
現実はこんな感じでした。
早朝の仕込みから深夜の閉店後の片付けまで、非常に忙しくクタクタになる毎日。
しかも、次々訪れるお客様の対応に追われ、質問する暇もありません。
融資、税務、経理など経営者として必要な知識は学ぶことはできず、結局、アルバイトレベルの知識だけで研修を終えてしまうことになりました。
Cさんは「多額の契約金を払った上に、無料のアルバイトとしてこき使われる……知っていたら契約しなかったかも」と思ったそうです。
Cさんの問題点
このケースの問題点は、「研修」と名乗って実質的にタダ働きをさせられていることです。
こうしたずさんな研修によって、いくつかの悪影響が出てきています。
まず、経営者として必要な知識を身につけることができずに独立しなければならないことが挙げられます。
こういった研修では店舗運営の実務は経験できるかもしれませんが、経営に関する大切な知識が不足してしまうのです。
また、長時間の労働が続くことで、身体的にも精神的にも疲れてしまい、新しい店舗の準備に影響が出る可能性もあります。
さらに、研修期間中に労働の対価が支払われないため、経済的な損失も生じています。
このような状況は、フランチャイズ本部との信頼関係にも悪い影響を与えます。
「騙された」と感じることで、今後の関係がぎくしゃくしてしまうかもしれません。
これらの点をしっかり考えておくことが大切です。
Cさんの場合は、期待と現実のギャップに失望し、開業前から意欲が削がれてしまったそうです。
失敗しないための対策は?
研修内容を具体的に確認することが大切です。
事前に研修の詳細なスケジュールや内容を確認しておくと安心です。
また、研修期間中の待遇についても明確にしてもらう必要があります。
給与や労働時間、保険加入の有無などを契約前に確認しておくことで、後々のトラブルを防ぐことができます。
さらに、店舗運営だけではなく、経営者として必要な知識に関する研修も含めてもらえるように交渉することが重要です。
実際の店舗での研修といえば、確かに魅力的に聞こえますよね。
でも、「研修」という名目で不当な労働を強いられていないか、しっかりチェックすることが大切です。
「知っていたら契約しなかった」なんて後悔しないよう、事前にしっかり確認し、必要なら交渉する。
その他のよくあるトラブル事例
フランチャイズビジネスでは、これまで紹介した3つの大きなトラブル以外にも、様々な問題が起こり得ます。
ここでは、よく耳にするトラブル事例を紹介します。
契約内容が不透明
フランチャイズ契約って、なんだか難しそう…そう感じる人も多いのではないでしょうか?
契約書には専門用語がたくさん使われていて、意味が分かりにくいことがあります。
さらに、細かい条件が小さな文字で書かれていることもよくあります。
また、口頭での説明と契約書の内容が少し違っていることもあるので、注意が必要です。
そして、契約書にサインするとき、「これってどういう意味ですか?」って聞いても、「気にしなくていいですよ」って言われることもあります。
そんなときは、たとえ関係ないと言われても、分かるまで必ず質問しましょう。
それでも、不明なときは弁護士や専門家に相談すること。
急がされても、じっくり読む時間を取ることが大事です。
契約内容をしっかり理解することが、将来のトラブル防止につながります。
想定外の追加費用
想定外の追加費用については、「えっ、こんな費用も必要だったの?」と驚くことがあるかもしれません。
よくある追加費用には、システム利用料や広告宣伝費の追加負担、本部指定の設備や備品の更新費用などが含まれます。
ある加盟店オーナーは、「開業時の費用は聞いていたけれど、毎月の追加費用がこんなにかかるなんて思っていませんでした」と話しています。
予期せぬ出費に備えるためには、初期費用だけでなく継続的にかかる費用も事前に確認し、「その他の費用」の内訳について具体的に説明してもらうことが大切です。
予想外の出費で資金繰りに困らないよう、しっかり計画を立てましょう。
まとめ
さて、ここまでフランチャイズビジネスにまつわる様々なトラブル事例を見てきました。
夢と希望に満ちたはずのフランチャイズ、実は落とし穴もあるんですね。
フランチャイズ本部も決して加盟希望者をだまそうと思っているわけではないですが、説明会ではどうしても成功例を紹介してしまうものです。
勧誘の甘いセールストークだと思って、用心してくださいね。
フランチャイズ本部の契約書は法律的に問題が無いように、よく練られているものなので、後で失敗したと思っても、契約金やロイヤリティは戻らない場合がほとんどです。
契約書や資料は細かい数字までよく確認する、実際にそのフランチャイズ本部で開業したオーナーから話を聞くなど契約前にはよく考えてください。
フランチャイズ本部がほかの加盟店のオーナーを紹介してくれることもありますが、この場合は成功している店舗や本部寄りの店舗のことが多いので、良いことばかり言ってもあまり信用しない方がいいかもしれません。
ネットで調べたり、知り合いに聞いてみたり、お客さんとして来店して話を聞いてみたりするといいですね。
最後に、フランチャイズに参入するかどうかは、あなた次第です。
この記事で紹介したトラブル事例は、「フランチャイズは危険」と言いたいわけではありません。
セールストークはうのみにせず、よく検討してくださいね!